電子工作キット販売委託先の変更のお知らせ

三月兎様の同人ハードウェア取扱い終了により、バランスヘッドホンアンプキットをはじめとした工作キットの販売店が変更となりました。

新しい販売店は秋葉原、ラジオデパート1Fにある「家電のケンちゃん」となります。
秋葉原へお越しの際はぜひお立ち寄りください。(店頭デモ機もあるよ)
ひきつづき今後ともよろしくお願いいたします。

家電のケンちゃん

同人ハード(キット),fixer 家電のケンちゃん






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電子工作マガジンのバランスヘッドホンアンプ記事(地雷)

※注意

記事公開後に実際に製作しましたが、いくつかの問題点が発覚しています。

・出力端子のピン配列が間違っている(しかも既存の製品のピン配列と異なる)
・DCオフセットの調整が追い込めない
・ボリューム位置によって周波数特性が著しく悪化する
・ケース加工図は製作前に現物合わせで要確認

お気をつけください。




電子工作マガジン 2016夏号に

特性の良いバランス駆動を手作りアンプで体験してみよう
バランス駆動ヘッドフォンアンプの製作

という記事があったので、買ってみることにしました。
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オペアンプよりヘッドフォンをドライブしやすいディスクリート構成で、約半分のCR、トランジスタのパーツは面実装品で基板に実装済みのものが販売されており、合計予算は3,707円とのことです。


基板は700円だけど送料が宅急便で500円(だけど緩衝材なしで封筒に入れて送るらしい)という時点で嫌な気はしていたのですが、勢いで頼むことになってしまいました。

本を買わないと必要な部品がわからないので本が届いてからリストを見ると、入手先は秋月電子と千石電商で、片っ端から通販のカゴに入れて注文。販売単位が10個だったりして、どうしても必要数のみで買えないこと、2箇所から購入することで送料もかさみ、3,707円で済むはずが、最終的に計算してみるとなんと5,887円もかかっていることに気づきました。これに本代を足すと7,087円もの金額に達しており、この数字をみると正直、買ったことを後悔してしまいました。

そうそう、無駄に1個120円もするWIMAのコンデンサを使っているわりには、他のところは昔懐かしいクリーム色で丸い形のセラミックコンデンサを使ってたり、ツマミが380円もしたりで、どうも理解しがたいこだわりも感じられ…。


さて、部品の手配も済んだところで記事を読んでみると、なんと!

CltG7ajUkAAPerf.jpg


設計に不備のある未完成品だったようです!





周波数特性グラフも載っていましたが、「可聴域の30Hz~20kHzにわたってほぼ周波数特性はフラット」なんて書いてあるわりには明らかなカマボコだし…
qindq64y.jpg




というわけで、買おうと思ってる方は気をつけましょう!


追記
記事中の回路図があまりにも見にくいので書き直してみました。
画像クリックで拡大
電子工作マガジン回路図


追記2
ボリューム位置によって周波数特性が著しく悪化する件について測定結果を掲載します。


最もフラットな特性が得られるボリューム最大時(グラフ水色)に対して、特性が最も悪くなるボリューム-6dBの位置(ピンク)といったようにボリューム位置によって周波数特性が悪化することがわかりました。
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ボリューム-6dB(電圧レベル半分)の位置
IMG_5276.jpg


理由はボリュームの後についているローパスフィルタ回路がボリュームの影響を受けてしまうことであり、
これは回路設計の不備であると考えられます。
IMG_5273.jpg

猿でも分かるGND分離と擬似バランスとバランス(仮


どれも4極プラグのヘッドホンを使うという点では同じである。4極プラグのヘッドホンは、左右2つのユニットから2本ずつ、計4本の線が省略されずにそのまま4極プラグに繋がっている。


ヘッドホンにおいては三種類の方式における構造上の区別は存在しない。三者の違いはアンプ側の違いである。




従来のヘッドホンのプラグは3極である。これは元々4本あった線のうち2本をまとめて3本で済ませているからである。
ヘッドホンの耳の部分ですでに3本にまとめられて3芯のケーブルで配線されているものと、プラグのところまでは4本のまま来ているものとがある。



4本の線を3本で済ませたほうがシンプルだし、特に問題はないとされていた。しかし、ヘッドホンの性能向上などによって3本か4本かの違いが聴き取れるようになり問題視されることとなった。
ケーブルが3芯のヘッドホンをリケーブルで4芯に変更すると、音の定位がはっきりする効果が得られた。



ケーブルを4本にしても、ヘッドホンのプラグやアンプのジャックは3極なので、どうしてもここで3本にするしかなかった。
そこで工夫して、ヘッドホンアンプの別の端子(ライン出力とか)を利用して、ヘッドホンのケーブルが4本のままアンプ内部の基板まで繋がるようにした。このやり方が、プロオーディオのライン接続における「疑似バランス」に近い部分があるので、そう呼ぶことにした。

※ライン接続の疑似バランスとヘッドホンの疑似バランスでは得られる効果は違う。



その後、上記の方法を工夫しなくても出来るように、最初から4極のジャックをつけた製品がOPPOやソニーから出始めた。(インスパイアされたかは知らん) それらはメーカーにより「グランド分離」と呼ばれている。



疑似バランスとグランド分離については基本的に同じ構造のものを指しており、本来4本の線がヘッドホンジャックのせいで3本にまとめられている部分を改善したという点において、その原理と効果は同じである。

ただし、機器の設計において分離する効果を特別に配慮しているものや、ただジャックの部分を分けただけのものなど、改善効果の度合いについてはこれらの名称だけでは判断できない。



バランス駆動については、従来のシングルエンド(アンバランス)のアンプではなく、バランス出力のアンプを搭載したしたものを用いる。

疑似バランスやGND分離接続では最終的に4本の線が3本にまとめられて回路上の同じ箇所に繋がるのに対し、バランス駆動においては4本すべてに別の信号が加わるので、そもそもまとめることが出来ない仕組みのものである。








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以下は余談的なやつ


■ジャックだけ4極のものと、基板上の回路までGND分離しているものの存在について

共通インピーダンスの大きさ的にはイヤホンケーブル>ジャック>基板って感じだろうけど、基板で分離とかいっても結局は入力のGNDも電源も同一なんだろうし、下手に意識しすぎると3極プラグを挿したときに問題おきかねない。ZX2みたいに…。

参考
zx2の音、4極ジャックについて調べたこと
http://togetter.com/li/788820

従来のシングルエンド接続の違いというのはジャックの部分が3極か4極かということになるのかな。イヤホンの線が3芯か4芯かではGND分離とは言わないよね。GND分離において一番意味のあるのはケーブルなのに。




■参考情報

iFI nano iDSD ポータブルアンプの動作
http://fixerhpa.blog.fc2.com/blog-entry-260.html

iFI-Audio nano iDSD RCA変換ケーブル
http://fixerhpa.blog.fc2.com/blog-entry-261.html

ステレオジャックによる逆相クロストーク
http://fixerhpa.blog.fc2.com/blog-entry-264.html

ポータブルプレーヤーの擬似バランス
http://fixerhpa.blog.fc2.com/blog-entry-268.html



■ツイッターに書いたやつテキトーに貼っとく


DAPの疑似バランス(擬似バランス)の起源的なやつ、もともとポータブルに興味無かった俺がなんとなくハイレゾとかいってiFIのアレ買ってきて、なにこれ音おかしいじゃんって調べたらジャックの品質が悪くてガバガバで、RCAの端子も同じ信号出てるからここから取ればええじゃんってなって、
そうすれば左右チャンネルのGNDを根元から分けて結線できるからセパレート向上するぞってことで、業務機のそういう接続にちなんで擬似バランスって呼んでたところ、当時俺DAPとか持ってなかったんだけど、これ普通のDAPでいけるんじゃねってぜんら氏がDX90でやりはじめて、その流れで
それならもっと性能上げるためにバランスアンプ作ろうぜーってなったんじゃんね。一年半前くらいの話かー。

で、DX90も最初はライン出力のGND使ってやってたんだけど、実はヘッドホンジャックが(マイク付きイヤホン対応のためか)もともと4極になってて、これ4極プラグでいけるじゃんーってなって。
そしたら後からOPPOとかソニーが「GND分離接続!」とかいいだしたんだよ。

で、昨日も掲示板の話で、ブラインドでクロストークがわかるのかとかどうのこうの言われてたけど、元はといえばこういう感じで音がおかしいと思った機器の品質不良を改善するところから始まっているから、これこそほんと「聞いて判断」なんだよねー。

名称については何と呼んでも構わないけど、せっかくのアイディアを有用に使うことと、そもそも3極のジャックの品質を上げる努力もしてくれよ!! ってところはあるね!

自分自身、ヘッドホンを4線化するとセパレートが良くなるなんてのは10年以上前からやってたけど、まさかジャックの接触抵抗まで問題にしないといけないなんて思ってなかったし、実際に測るまではインピーダンス10Ωのイヤホンのことまで想定してなかったんだよね。


疑似バランスになぜ「バランス」という用語が入っているか、というか既存のその語句をヘッドホンに用いたかという理由は明確で、「バランス接続用のヘッドホンを使うから」に尽きるんだよな。変な呼び方するせいで、GND分離用リケーブルとか実質中身一緒の製品が別名で出てくることになる。


業務用オーディオのライン接続における擬似バランスも、コネクタが対応しているから擬似バランスなんだよね。
アンバランス出力のCDプレーヤからバランスの卓に繋ぐ場合、2芯シールド使ってCDプレーヤの直前まではバランスのまま結線するのが通常なんだけどね。

ヘッドホンのバランス駆動って呼びかた、本来俺も好きじゃないんだよね。ヘッドホンのコイルってバランスで巻かれてないからさー。でもそういう名前になっちゃったから今更しょうがねーって感じ。



■バランスアンプについて

信号伝送にともなう問題が改善する見込みがあるからバランスアンプを作ったわけであって、ただ作ってみただけのと一緒にされたくないってのはある。

ヘッドホンのバランス接続についてはアンブレラカンパニーさんあたりがけっこう前からやってた覚えがあるけど、当時それを見ても面倒くさいしそこまでやる意味あんのかな? て感じで手を出さなかったんだよね。
だからこそ、実施するメリットと、いかに簡単に実現させるかを目指したわけで。



4芯ケーブルをヘッドホンに使用する場合の結線について

4芯ケーブルを使ってステレオヘッドホンのリケーブルをする場合、電線のペアの組み方によって性能が変わってしまうという事について調べてみました。


事の発端は、先日購入したオーディオテクニカのヘッドホンATH-WS1100をバランス化改造するときに気になったことで調べてみたものです。

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リケーブルの際に使えそうなケーブルを探した結果、今回はオヤイデのHPC-28-4Uを使ってみることにしたのですが、商品ページの図と、現物とでケーブルの色と配置の関係が異なっていることに気づいたのです。



商品ページの図
HPC-28-4U.png



現物
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本来、左右の信号線をまとめて束ねてしまう構造は信号のセパレーションの観点から望ましくないのですが、なかなか適切な構造のケーブルが市販品で存在しないため、しばしば妥協して4芯ケーブルが使われることがあります。(知らないで使ってる人もいそうですが!)

この時、左右チャンネルの干渉を少なくするためには、対角線上に存在する2つを、片チャンネルの±で使用するほうが望ましいと考えられます。
しかし、今回の電線でその組み合わせをすると、説明図の構造だと片chは赤と白、もう片chは緑と黒というようになり、左右チャンネルの色別としては分かり難くなってしまいます。
この点において現物のような配列になっていれば白と黒、赤と緑という組み合わせで使用できるため、色別しやすいです。

IMG_3965.png
4本の芯線をどう割り当てるかによって伝送特性が変わる可能性があります。
また、右図の場合、下記の2パターンが存在し、クロストークする信号の位相が変わると考えられます。



IMG_3966.png



そこで、

4芯ケーブルのペアの取り方によって信号の干渉度合い(クロストーク)が異なるのかどうか測定してみることにしました。

IMG_3967.png



用意したケーブルはmogamiの2893というスターカッドタイプのマイクケーブル。長さは2mです。
IMG_3962.png



測定回路は以下のとおり
IMG_3970.png


オーディオアナライザのオシレータ出力を、ヘッドホンアンプ「ありやす」に接続。信号源インピーダンスほぼ0Ωの信号出力を用意します。片方のペアにはこの信号を、もう片方のペアは無入力にするため、電線の端をショートさせておきます。

電線の反対側はそれぞれのペアに10Ωの終端抵抗をつけ、アナライザへ接続。片側のチャンネルに印加された信号および、無入力のチャンネルに漏れた信号をそれぞれ測定し、無入力側に漏れ出てきたクロストーク成分を算出します。


信号源側
IMG_3968.png




測定結果は以下のようになりました。

グラフの緑色は、対角をペアにした組み合わせ(赤白と黒青)
青色は隣り合ったものをペアにした組み合わせ(白黒と赤青)
4芯クロストーク

対角でペアを組んだほうが、なんと40dBも特性が良いことがわかりました。


また、このクロストークは電線間の静電結合ではなく電磁結合によるものであると考えられ、負荷の抵抗が小さいほど干渉が大きくなるようです。



そこで、特性の悪かった組み合わせで、負荷の10Ωを300Ωに変更した場合のデータも取ってみました。

緑が先ほどと同じ10Ω負荷、青が300Ω負荷です。
4芯クロストーク2
負荷がここまで軽くなればクロストークもだいぶ改善されます。

これはGNDの共通インピーダンスによるクロストーク発生と同じで、インピーダンスの低いヘッドホンほど、電線のクロストークに気をつける必要があるといえます。



ヘッドホンやイヤホンのリケーブルにおいて、本来モノラルバランス信号用で使用するスターカッドタイプのマイクケーブルを流用する場合がありますが、そういった場合は特性が悪化しないよう(もしくは望ましい音になるよう)、色で選ぶだけでなく、その配置で芯線の組み合わせを検討する必要があるといえます。


特に、CANARE L-4E5Cや4S6などといったケーブルの場合、4本のうち同じ色が2本ずつある場合は注意が必要です。
IMG_3973.png

写真のような構造のケーブルの場合、モノラルのバランス信号なら青同士を束ねてHot、白同士を束ねてColdとするのが正解ですが、これをステレオ信号に流用する場合、「Lch: 青白、Rch: 青白」というようにすると、クロストークの多い結線となってしまいます。

バランスアンプ キチクロZZ 発売

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ポータブルオーディオ機器を手がけるメーカーSoundPotionより、私の携わったバランスヘッドホンアンプ「キチクロZZ」が発売となりました。

私がバランス駆動ヘッドホンアンプを研究し始めたのはちょうど一年ほど前のこと。当時開発していた「僕クロ」や「ありやす」の試作機をポタ研というポータブルオーディオの展示会に持ち込んだ際、当時は面識すらなかったSoundPotionのブースを間借りして展示させてもらったのがきっかけで、私の設計したバランスヘッドホンアンプを提供・販売することになりました。

キチクロZZの仕様としては、キットで発売している「キチクロZ」の完成品という位置付けで、基本性能やあの独特な音の特徴はそのままで、省スペースで利便性の高い単4形電池4本で動作するようになっています。エネループプロの使用で約5時間の動作が可能です。

7/11に中野サンプラザで開催されるポタ研にて試聴ができますので、来場される方はぜひお試しください。


なお、設計や製造までは私が監修していますが、販売などに関してはSoundPotion様に一任しておりますので、ご購入に関するお問い合わせ等に関しては下記までお願いいたします。
http://soundpotion.cart.fc2.com/ca18/13/p-r-s/



プロフィール

fixer

Author:fixer
http://fixerhpa.web.fc2.com/
Twitter @fixerhpa
頒布中のバランスキット関連はこちら

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