LME49600ヘッドホンアンプ発振

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ヘッドホン用のトランスなんかを測定する時に、iPodなどのように送り出しインピーダンスがほぼ0Ωの理想ヘッドホンアンプが必要ということで、Mi-Takeさんところのキットを元に改造したものを使っているのですが、先日測定をしている時に異常動作+異常発熱をしたので一体何が起こったのかと調べたところ、ヘッドホン未接続でケーブルがぶら下がっている状態の時に80MHzの高周波で発振していることがわかりました。

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※忘れてたけど40MHzのオシロだった。実際はけっこうなレベルで出てるんだろうな。


オペアンプの出力をケーブルで延長した場合、ケーブルの容量成分によってオペアンプが発振してしまうことはよくあることで、通常は出力に直列に100Ω程度の抵抗を挟んだりして回避します。
しかし、ヘッドホンアンプの場合は出力インピーダンスを低くしたいので、ここに抵抗は入れられません。
発振対策としてはボルテージフォロアに近い回路を避けてゲインを取って、帰還にコンデンサを抱かせて高周波域のゲインを下げるとか、他にもいくつか方法があるようですが、出力になるべくパーツを挟みたくないことと、大幅な回路の改修は大変なので色々考えた結果、思いついたのがフェライトビーズを入れる方法です。
80MHzというと可聴域に対してかなり高い周波数ですから、可聴域からみればほぼ電線にしか見えない小さいLでも効果があるんじゃないかと考えた次第です。

個人レベルの、しかもオーディオ帯域の工作でまさかフェライトビーズを使う機会なんて無く、手持ちも無いと思ってたところ、幸いにもLXU-OT2から外したフェライトビーズが大量にあったので、試しにこれを挟んでみたところ、バッチリと発振を回避することができました。

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その後、不要になったCD-ROMドライブの電源ラインにチップのフェライトビーズがあったので、基板パターンを削って入れることにしました。

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これでひとまずOKとして、様子をみてみることにします。


せっかくなので特性をチェックしてみました。


周波数特性
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可聴域ではすばらしいフラットです。ノーマル状態では10Hzでわずかにレベルが落ちていたので、DCサーボ部分のフィルタのコンデンサ、チャンネルあたり2箇所を0.1μFから2.2μFに交換しています。


歪率 THD+N 1V 帯域80kHz 緑32Ω負荷 黄色開放
mitake_THDN_1V_80k.jpg
歪率に関しては波形歪よりは残留ノイズの影響を受けていることが伺えます。
これについては過去の記事を参考にしてください。



今度のアナライザはノイズ成分を除去して高調波成分だけを拾い出すことができますので、THDだけも見てみました。
mitake_THD_1V.jpg



やはりTHD+Nの値の多くは雑音成分が占めていることがわかります。
ちなみにスペアナではこんな感じでした。
mitake_fft.jpg

変なツノとか出てないので通常の残留ノイズということでこれ以上は仕方ないでしょうか。




最後に1kHzで信号レベル対歪率をチェックしてみました。
mitake_THD_V.jpg

負荷をかけても良好なのはやはり1Vくらいまででしょうか。
理想ヘッドホンアンプとしては十分すぎる性能だと思いますが、もう少し大振幅を扱える計測用アンプも欲しいなといったところです。
なんかいい方法はないでしょうか。
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ヘッドホンマッチングトランス小型版試作

前回ちょこっと触れたヘッドホンマッチングトランスの新作ですが、もともと「小さくしても28mmサイズが限界だ」と判断していたものを、さらに小さく19mmサイズで実現しようとしているので、やはり技術的な障壁がでてきます。

試作品ではコア材をより高性能なニッケル含有率の高いPCパーマロイを用い、単巻構造にすることで少ないボビンのスペースを有効に使用し、飽和歪への余裕を確保したつもりでした。
小さいなりには高性能に仕上がったものの、大きいコアのものと比較すると大音量時の飽和がやっぱり気になります。

低域から徐々に始まってくる飽和歪みはトランスの一次側に印加されている信号レベルが高いことにより発生しますが、同じ信号レベルを加えた場合であっても一次側の巻線数が多いほど歪み始める電圧レベルが高くなり、よりマージンが確保できます。

UPV_gr00000.png


このグラフは、ポータブルプレーヤの出力を想定した出力インピーダンスがほぼ0Ωの発振器出力を接続。50Hzで1Vから10mVまで下げていったときの歪率で飽和点がどこにあるかを確認したものです。負荷は開放ですので、歪率計は開いているタップに切り替えながら測定しました。
黄色が16Ω端子、青が64Ω端子、緑が256Ω端子です。16Ωですと150mVくらいで飽和していますが、64Ωなら300mV、256Ωなら500mVくらいまで耐えられるのがわかりました。
よって、全体的に4倍くらい多く巻くことで小さいコアでも飽和せずに使用できるのではないでしょうか?

ということで物理的に巻けるかどうかという事は考えずに、とりあえず染谷電子さんへ電話して「4倍多く巻けませんかね?」と相談してみたところ、「線径は細くなるけれど巻けるだろう」とのことでした。

でも、ただ多く巻けば良いかというとそうではなく、線径を細くするとなると、たとえば16Ω端子の直流抵抗が10Ωくらいになってしまうことも考えられます。そうすると単純に半分以上の電力が巻線の抵抗分に食われて無くなります。
しかし、16Ω端子とはいえども実際のiPodなんかの出力インピーダンスはほぼ0Ωですので巻線の直流抵抗の影響はそこまで大きく出ることはなく、トランスの昇圧効果による出力アップが十分に得られる範囲に収められるのではないかということです。一次側に適度な直流抵抗があれば、二次側に過剰な負荷が掛かった場合の保護にも役立ちます。
巻線数が多いことによる問題は高域の低下が上げられますが、今回は全体的にもインピーダンスが低いので、可聴域に影響が及ぶこともない範囲に収められるだろうと判断しました。


さて、次なる試作品はどうなるやら。おたのしみに。

beyerdynamic DT770PRO/250

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ふとハイインピーダンスのヘッドホンに興味を持ったので、色々探してみた結果beyerのDT770PRO/250を入手してみました。
いままでも何度かCD900ST以外のヘッドホンを買ったことがあるのですが、結局はこれに戻ってしまうんですよね。それはそれで良いとしても、たまには違う製品を使ってみたいとか、ハイインピーダンスのヘッドホンがどういう動作をするのか、どうやったら上手く鳴るのか研究してみたいとか、色々あるものです。

とりあえずインピーダンスを測ってみました。
ローデのアナライザはインピーダンス測定モードが無いので、信号源インピーダンス600Ωでレベルを測って、データリストをcsvで吐いてから数式を入れて算出してグラフ化しています。ちょっと面倒です。

DT770PRO250_z.png

インピーダンスが高いからといって特に変わった点はなく、単純に全体的にインピーダンスが上がっただけのように見えます。このモデルに関してはf0が45Hzと低めな位置にあるようです。

とりあえずiPodに繋いで鳴らしてみましたが、想像していたほどの音量不足はありませんでした。しかし、録音レベルや音圧の高いJ-POP等ならOKでも、レンジの低い曲だと不足を感じることがありそうです。
音圧が高い曲であっても、使用するボリューム位置的にちょっと頼りない感じがするのと、音質面ではやはり電圧駆動の特徴が低いインピーダンスのヘッドホンに比べてさらに顕著になるようで、もう少し豊かな音を再生するためには出力インピーダンスが高めのヘッドホンアンプを探して使用したくなるかな、という感じでした。


さてさて、写真に写っているのは昨日組み立てたアンプと、あと現在開発中のヘッドホンマッチングトランスの小型バージョンです。
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なんというか、例のヘッドホンコンディショナーに対抗して作ります。
サンスイのST-71と同じサイズまで下げるかわりに、コア材のグレードを上げ、単巻にすることでかなり実用でいけそうな感じになってきました。コアサイズを下げたことにより下がってしまった飽和レベルを何とかもう少しあげたいなというところです。
市販品だと原価を考えたらあのくらいのコアを使うのは仕方ないことですが、自分で組み立てるのならコア材を豪華に奮発して割安で高性能を得てもいいんじゃないでしょうか。


試作と測定を繰り返していますので、完成したらまた紹介します。


追記
あーやっぱf0=45Hzはいいね。900STでは聴こえてなかった低域まで聴こえるよ。DT770の密閉度の高さも影響してるのかもしれない。
で、やっぱりiPod直のローインピーダンス駆動だとその低域がきちんと出なくて物足りない。先日のバランスドライバ+トランスのアンプも出力インピーダンスが高いから向いてるし、マッチングトランス入れた場合もいい感じ。

ぺるけ式シンプルヘッドホンアンプ

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えっと、消化するネタが多すぎて正直追いついていけないのですが、
やっとDRV134+小型トランスのアンプが完成したと思ったら、今度はヘッドホン用マッチングトランスの小型バージョンが染谷電子さんから上がってきたり、頼まれたもの組まなきゃいけなかったりと慌ただしい感じです。

そんな中、先日より賑わっているぺるけ式FET式差動ヘッドホンアンプ Simple Versionを作ってみることにしました。

前々から一度作ってみたいとは思ってたのですが、トランジスタを買ったり選別したり、ラグ板だったりと、普段やらない事ばかりなので、なかなか手を付けられずにいました。

そんな中、部品点数が少ないシンプル版の話題が上がったので、手始めにこれくらいならと思い立ったわけです。

それにしてもまあ、いまどきトランジスタのディスクリートで回路を組まないといけないことなんて殆どなくなって、使うとすればせいぜいリレーの駆動に2SC1815くらいじゃないかって感じで、リード形のトランジスタも軒並み入手難になってきています。作るならいまのうちって感じです。

それにしてもトランジスタの選別作業なんて記憶にある限りだとやったことないかもしれない。
バイポーラトランジスタのhfeなら、手元のDMMに機能があったので難なくこなせたけれど、FETの選別はどうしようってことで、とりあえずは実回路に近いものをブレッドボードで組んで近い動作するものでペアを組みました。

さて基板についてはタカス基板とやらを使っても良かったのですが、どうも慣れないものを使うのは入手も含めて億劫になってしまうので、今回は図面を描いて基板を起こしてみました。

キャプチャ2



パターン描くほうが何倍もの手間暇を食うわけですが、最近のマイブームなので一日ちょっとずつ修正しながら数日かけて完成させました。
本当は先生のお手本の通りに作るほうが良いんですけどね。

そんな矢先に回路修正があり、「ここに部品足したら音良くなるよ」なんて展開に。
あーどうしたものか。もう一枚つくりますかね。

ヘッドホンアンプ設計・試作その6

バランスドライバのDRV134+小型トランスの電池駆動ヘッドホンアンプですが、
Hammond版で特性をとってなかったので測ってみました。



周波数特性 32Ω負荷
DRV134HPA_freq_32.png
緑 0dBV (1V)入力
青 -10dBV 入力
黄 -20dBV 入力

0dBVはiPodの最大出力レベルにちなんだ値です。
低域では飽和が始まっていますが、これはサイン波での最大レベルですので実際の音楽信号でここまで大きな低域成分が連続して出力されることはまずありません。
-20dBVまで下がると低域の飽和がなくなりますので、このレベルでの周波数特性をみます。
可聴内においてなかなか良い感じにフラットになっています。
本機の狙いは歪と感知できない、さりげない歪成分を加えることでアナログの質感を得ることにありますので、その絶妙なところを攻めたつもりです。
なお、トランスをHammondではなくST-71で組むともう少し特性は良くなります。



続いて歪率(THD+N)をみてみます。
DRV134HPA_THDN_32.png
こちらも同じく3種類の信号レベルで取りましたが、1Vでの特性がすごい歪!


実はこれはトランスではなく増幅段でのクリップ歪です。
これもまたギリギリに追い込んだ結果でもあるのですが、乾電池の電圧や負荷の重さに起因するものです。
もう少し最大レベルを稼ぎたい気持ちもありましたが、他の要素との兼ね合いもみてOKとしました。
ちなみに、CDでよく0dBFsで平然のクリップしているソースがあって歪が気になる場合がありますが、今回の場合は特に気にならないなと不思議に思っていたのですが、よく考えてみれば歪が気になって問題となるのは小音量で再生した時ですから、今回のように最大レベルすなわち爆音状態での歪は聴感上問題にならないどころか、むしろうまくリミッターとして働いてくれるんじゃないかな、なんて思っています。

-10dBV以下の信号についてはいい感じに低域の飽和が入ってきています。これが味付けの成分です。

とはいえ、1kHzでの歪率は0.01%だったりするわけですから、「全高調波歪率0.01% @1kHz」なんて書いちゃったりして? 面白いものです。


ちなみにch間クロストークはこんな感じでした。
DRV134HPA_XT32.png
これはまあ、80dB程度でまあ普通だねってとこだと思います。
個人的にはクロストークに関しては基本的にきちんと確保したほうがいいと思ってます。




ちなみに負荷のインピーダンスが32Ωより上回った場合として、300Ωでも周波数特性をとってみました。
DRV134HPA_freq_300.png

300Ω負荷の場合は入力レベルに対して10dBほどゲインが稼げているのがわかります。
これはハイインピーダンスのヘッドホンでの音量不足を補う意図もあったのですが、さすがに飽和による歪みが厳しいかな、どうかなって感じです。300Ωのヘッドホンを使うならサンスイST-71で組んだほうがいいかもしれません。

とはいえ、無負荷状態の出力をモニタースピーカーに接続してチェックしても、音量を多少絞っていれば音楽再生時の「飽和したな」という歪が発生することはありませんでした。
うまくその手前で扱うことで、低音の押しの強さを出すことができます。
特にヘッドホンでは低い周波数の再生は難しいので、うまく高調波を加えてやることで低域の質感を得ることができるはずです。実際、そういった技術が採用されている製品もあります。


ってなわけで、あえてアナログのギリギリ感を演出するよう設計したアンプでしたが、測定結果をみて、あらためて「ギリギリ感」が確認できたことと思います。
超優秀な信号出力をもつiPodなどのデジタルプレーヤの音に満足できないあなた、アナログ感満載のアンプはいかがでしょうか?



※追記
ST-71バージョンでも特性をとってみました。
やっぱりこちらのほうが性能としては優秀です。音は若干違うので好み次第だと思いますが、値段と入手性など総合的に考えたらST-71に軍配が上がるでしょう。


周波数特性 32Ω負荷
DRV134HPA_ST71_freq_32.png


周波数特性 300Ω負荷
DRV134HPA_ST71_freq_300.png


歪率 THD+N
DRV134HPA_ST71_THDN_32.png

カセットテープ録音の特性

衝動買いした新しいおもちゃの練習をかねて、カセットテープに記録した際のf特なんかをチェックしてみました。
こないだ調整してたときに、レベルが大きいときには高域レスポンスが低下するようだったのでそれを測ってみたいなーと思って。
そういえばバイアス調整で1kHzと10kHzの再生レベルが等しくなるようにするときにレベルは-20VUで行うのはこの特性を加味してのことだったのかな。

TASCAM 122MKIIIが3ヘッドなので測定には好都合。1kHz 0VUでの録音時の再生レベルを基準にして、録音レベルを+10dBから-5dBステップで-40dBまでとってみました。
今回のアナライザは多機能で操作が複雑だけど、自動測定はとても楽ちん。
テープはTDKのSA(ハイポジ)です。

UPV_gr00001.png


自動でササーッとデータ取ったので若干暴れている部分もあるけれど、こんな感じのグラフになりました。
黄色いラインが0VU記録時の周波数特性だけど、やっぱり高域が若干落ちている様子。一番上の緑は+10VUだけど、こちらは飽和しているのか全体的にもレベルが落ちています。
周波数特性だけを見ると、10VUくらいの記録レベルが帯域が広くてよさそうです。
まあ実際の音楽信号の場合はサイン波とは違い常に変動しますし、聴感上のことを考慮したりすると0VU近辺が丁度いいようになっているんでしょう。


ちなみに歪率についても0VUより低い、-15VUあたりに最良値がありました。
UPV_gr00002.png
黄色 100Hz
青色 1kHz
緑色 10kHz

やはり0VUになると歪率も1%を超えるので、飽和し始めてる感じですね。
これはまあテープにもよるんでしょうけれど。
そうそう、FFTが入ってるアナライザなので、THD+Nではなく高調波成分のみ抽出したTHDのみが測れるので、カセットテープのようなSNの良くない測定対象の場合は都合がよさそうです。


最後に1kHz 0VU時のスペクトルを見てみました。
UPV_gr00003.png
緑色が信号の入っているLchで、黄色は無信号のRchです。
三次高調波が若干目立っているのと、1kHzの裾野がだいぶ広がってるようです。これはワウフラなんかで変調が掛かってるんでしょうか。



というような感じで、特に何だってわけじゃないんですが
やっぱりアナログ要素のある物のほうが測ってみて発見することがあったりして面白いですね。
今後いろいろまた活用していきたいと思います。

カセットテープの速度調整

カセットテープの速度調整だけど、テストテープがないのでどうしようかと考えていたのですが、前回のコメントで後押しがあったので、テープの長さを測る方法を試してみました。

カセットテープの速度は4.76cm/Secもしくは4.8cm/Secとされていて、この数値は1 7/8インチに由来しているとのこと。
偏差はJISで±3%らしいけど、実際のデッキだと±0.5%だったり。
そもそも4.76か4.8なのかで0.8%違うんだけど…。

ちなみに0.5%というとA=440Hzと442Hzの違いくらいあるから、デジタル時代の現在となっては到底許せないズレなんだけど、当時というかカセットテープとしてはこんなもんだったんだねってことで。

前回はカセットテープの速度調整をする方法として、市販のミュージックテープと、同じ曲のCDを同時に鳴らしてスピードを合わせる方法や、速度が電源周波数に依存して調整箇所がない、シンクロナスモーターを採用したデッキを基準にする方法を検討したけれど、どうもこの2つは一致しないようで…。
ちなみに市販のミュージックテープを作成しているデュプリケーターはなんと200倍速もの速度でコピーをしても±0.15%の速度偏差に抑えられるというハイスペックらしいので、メンテナンスさえされていれば基準として使って全く問題ない精度であるといえるでしょう。


そんなこんなで今日は、カセットテープの中身を引き出して規定の長さの部分を区切り、ここを再生するのにかかる時間を測ってみることにします。

精度を高くするためにはテープの長さ(時間)はなるべく長くするほうが好ましいのですが、長いテープを正確に測るのも難しいので、1mの定規で測れてキリの良い数値ということで4.76cm/秒×20秒で95.2cmとしました。
スプライシングテープを使ってテープ上に無音部分を2箇所作って、連続して記録ができる部分が95.2cmとなるようにします。ここは数ミリの誤差も許されませんので、正確な定規できちんと測る必要があります。
テープ上の位置は巻き始め(もしくはひっくり返して巻き終わり)および、テープの中間部分の2箇所に測定用の部分を作成しました。

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この区間をまたがるように正確な1kHz(もしくは3kHz)のサイン波を記録し、再生する際にPC上に録音します。
録音したものを無音部分を目印にして切り出すと、95.2cm区間の再生にかかった時間がわかります。
かかった時間と規定値の20秒で現在の偏差を算出し、その数値をもとに今度は先ほど記録した1kHzの信号に偏差分を掛けた値になるよう、テープを再生しながら周波数カウンタで目的の周波数に合わせます。

これにより95.2cmの区間を20秒で再生できるように調整でき、4.76cm/Secを達成できるというわけです。


前回、ミュージックテープで調整したTASCAM 122MKIIIでチェックしたところ、95.2cmの区間の再生にかかった時間は20.002秒だったので、これ以上調整しなくとも十分な精度に収まっていることが確認できました。
ちなみに±0.5%に収めるためには±0.1秒くらいの範囲には収める必要があります。

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カセットデッキ

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昨日のTASCAMのカセットデッキの速度調整をやるのにテストテープが無いからどうしようかと考えていたら、そういえばシンクロナスモーター駆動の古いデッキがあったのを思い出したので引っ張り出してきました。
しかし困ったことに故障していて片ch音が出ません。
何やらchごとで抜き差しできるユニットの部分が壊れているみたいなので、原因特定も簡単かなと思ったんですが、回路図無いし、あまり手間かけるのもなーと。

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まあ壊れるのはコンデンサ絡みかなと思って、インサーキットでESRメータ使って測定していったんですが、なんかもう古いせいか元々の性能なのか当時の電解の性能なのか、10Ωとか普通にあるのな。
インサーキットで測れないものは外してみたけど、特に異常な部分は見つけられず。
んじゃあ、一応トランジスタをチェックするか。銀メッキでマイグレーションしてないかなとか思いながらチェックするも問題なし。ドルビーのIC(このデッキで唯一のIC)も左右で交換しても問題なし。スイッチでもない。
症状からすると、過入力にすると歪んだ音が出たり、電源投入時に一瞬音が出たりするのでバイアス関係かなー、だとするとやっぱコンデンサ絡みだよな。とか考えつつ、全部外してチェックも大変だ。
考えた結果、抵抗器を全部テスターで測って正常なボードと比較してみた。
そしたら、1箇所なんか抵抗値が150kΩと90kΩとかで違う部分を発見。周辺回路を追っていくとそこにはタンタルコンデンサが! こいつを外して直流抵抗を測ってみると20kΩくらいあって、レアショート状態になっていました。完全な導通じゃないからわからなかったー!
こいつを交換して無事に正常動作。こんなんで何時間もかかってしまったよ。


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ちなみにこのデッキは38年くらい前のものらしい。見た目からして高級機なのに、中にはサンスイのトランスと変わらないというか珪素鋼板のトランスが入出力に入ってたりして、案外こんなもんなんだなーとか思ってみたり。
まあ業務機でも普通に珪素鋼板のトランスが入ってたりするけど、今だったら性能面で足を引っ張っちゃうんじゃないかなーとか思う。珪素鋼板のトランスって音が悪いイメージがあるけど、使い方次第なのかなあ。
ちなみにこのデッキの音質はかなりナローレンジで高域が出てないユルユルな感じでした。というかカセットってこういう音だったよね。タスカムは音質がクリアすぎてびっくりしたくらいだもん。

さてさて再生速度なんだけど、どうも市販のミュージックテープを再生すると速い感じがするんだよなあ。電源周波数依存でズレないはずなんだけど。しかも+の方向ってどういうことだろう。仕様的には±0.5%と優秀なはずなんだけどなあ。これはミュージックテープのほうがズレてるんだろうか? でも2本ともそうなんだよな。てかそもそも高速プリントしているミュージックテープの速度を信頼していいのかという話もあるけれど。
うーん困った。

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TASCAM 122MKIII

ヤフオクで故障品が1,400円だったので落札してみました。

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先日10円だったのは2ヘッドの112MKIIでしたが、こちらは3ヘッドです。
回転が早いとのことでしたが、テープをセットするとDDのキャプスタンモーターが「ギュイーーーーン」と超高速回転しましたwwww 完全に見失っています。

すぐ怪しいなあと思ったんですが、やっぱり面実装の電解の不良でした。
なぜかこのモーターの基板だけが妙にレガシーな雰囲気を醸し出していました。
こういうカーブを描いた基板のパターンいいね。
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そうそう、112MKIIはベルトドライブでしたが、122MKIIIはダイレクトドライブだったり、基板のパターンを見るとバイアス周波数が前者は100kHz、後者は150kHzと、同じ基板を使ったりしていても違いがあるようです。


さて、速度周りは弄ってあったらしく調整が必要となりました。
しかし困ったことにテストテープがありません。仕方ないので市販のミュージックテープとYoutubeの音源で同時再生して尺が合うように調整しました。
まあそもそもカセットテープの速度なんてズレて当然みたいな部分があるので、あまり神経質になっても意味がないですけどね。
かつてのWラジカセなんて、ダビングする時に録音側のテープが先に終わっちゃわないようにと再生側と録音側とで速度の許容範囲が違っていて、ダビングするたびにどんどん早回しになったりして。

調整といえば、メカ系はさておきバイアスとレベルくらいは調整したいところだけど、これまたテストテープとメンテナンスマニュアルが無いのでどうしたものか。
でもこれも調整し始めると落とし所が見つからなくて結局は妥協しまくることになるんだよね。
STUDERの高級機のオープンなんて何合わせても気持ち良いくらいぴったり合ったものだけど、やっぱカセットテープは色々限界が多すぎる。10kHz超えるとサイン波の音じゃないもんね。

122MKIIIは前面パネルにバイアスとレベルの調整がついていて、本体内蔵の設定と切り替えができるんだけど、調整方法はどうやら内蔵のオシレータ-20dB 400Hzと10kHzでレベルが同じになるように、ということみたいだけどバイアスの調整ってこんなんだったっけ? オープンの時は10kHzでピークオーバー-3dBとかでやったような記憶があるんだけど、よく覚えてない。どっちにしろカセットだとメーターがふらついちゃって落ち着かない。

いろいろ調べつつ様子みてみようかな。

そうそう、何故に3ヘッドデッキが欲しかったかというと、テープ録音の特性取ってみたかったのもあるんだよね。f特とか歪とか。これを調べてみると、聴き心地のいい音のヒントがあるかもしれない。
プロフィール

fixer

Author:fixer
http://fixerhpa.web.fc2.com/
Twitter @fixerhpa
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