LXA-OT3 + トランスでヘッドホンアンプ

LXA-OT3にトランスをつけてヘッドホンアンプにするのが流行ってるらしいので、実験してみました。

とりあえずLXA-OT3はノーマルに戻します。
使用したトランスは東栄変成器と600Ω:8Ωのものです。現在はラベルが変わっているみたいですが、同等のものだと思います。コア材がハイライトと、低スペックですが、価格やネットで見た情報からすると現在も同じなのではないでしょうか。


IMG_1217.jpg


とりあえず聴いてみた印象は、正直、うーん???? っていう感じでしたが、とりあえず特性とってみました。


0dBr=100mVで、緑が無負荷、黄色が32Ω負荷です。測定上ほとんど変わらないのと、微妙なレベルの違いはボリュームの誤差だと思います。

LXA-OT3_trans_hpamp1.png

!!?

なんか30kHz近辺に20dB以上のピークが!!
原因はアンプに対する負荷が軽すぎてフィルタがきちんと動作しないことと、トランスのLC成分が関係しているのかもしれません。
ハイレゾでもない限り、30kHzの信号がアンプに入力されることはあまり無いとは思いますが、でも可聴域外の信号の10倍以上になって出力に現れるのはちょっとヤバいんじゃないでしょうか。




あと、低域がやっぱり薄い感じがしたので低域も確認するため、グラフの縦軸を拡大してみます。
LXA-OT3_trans_hpamp2.png

20Hzで-1dBという値はそこまで悪くないとは思うのですが、音を聴いた感じだともう少し延ばしたい印象でした。
トランスの入力インピーダンスに対してアンプの出力インピーダンスはかなり低いので低域については有利なはずなのですが、コア材がハイライトなので厳しいのだと思います。


案外手こずりそうです。
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トランス使用機器の作例

普段はひっそりしているけれどうちのサイトにも掲示板がありまして、最近2件ほど製作のレポートをいただいたので紹介がてら貼っておきます。

トランスを使った機器を設計するには、一次、二次ともに接続機器のインピーダンスの影響を受けるので細かな測定や検討を行わないときちんとしたものを作ることが出来ないという難しさがあります。しかし一度設計さえしてしまえば同じものを作るのは簡単で、再現性も高いというメリットがあります。

そんな感じで、いかに部品点数が少なく簡単な工作で、良い結果の得られる機器を今後もまた企画していきたいと思っています。

毎度ながらトランスの設計・製作をお願いしている染谷さんとも、かれこれ5年以上の付き合いになります。
トランス屋さんでは、とても素晴らしい性能のトランスを造り上げる技術を持っているものの、実際そのトランスに接続される前後の電子回路に対するノウハウや、オーディオ観点でのノウハウ(音質とか、歪の影響とか)というのが無いために、こちらの求める物を電気的性能として伝えるのが難しかったのですが、数を重ねていくうちに、少しずつ意思疎通ができるようになってきました。

そんなわけで、今後もひきつづき魅力的なネタを見つけ次第、具現化していきたいと思います。
ちなみに進行中のヘッドホン用トランス小型版ですが、やっぱりかなり難しい感じ。コアが小さくなると設計に余裕が無くなるので、必要な要素をピンポイントで狙っていかないといけないのです。大きいほうなら大体仕様が合っていれば幅広く理想的に動作するんですけどね…。なのでコレに関しては長期化しそうな感じです。


次は何やりましょうかねー。

レコードプレーヤのワードクロック出力

ビクターの発売する音源が、同じ録音であっても発売時期やタイトル、発売形態によって速度が違うぞってことで、きちんと比較をする目的と、自分の環境でも、もっと再生速度について管理をしたほうがいいんじゃないかということで、ターンテーブルの回転数とデジタル録音のクロックを同期させる試みをやってみました。

BgRUkcSCEAAdN6O.jpg

使っていないKENWOODのKP-990があったので、分解して回路をざっとチェックしたところ、水晶発振とPLLモーターコントロールICのTC9142Pで組まれていました。
水晶の周波数は4.608MHzで、これの1/32である144kHzが外部に出ていたので、これを使うことにしました。
144kHzってのは45回転と33 1/3回転との公倍数なんだろうね。有り難いことにこの周波数を3で割れば48kHzが得られるので、74HC4017を使って分周しました。デューティ比が50%にならないけれど、ワードクロックの動作としては問題なさそうなのでこれでいいことにしました。あとは基板上の回路電圧が8Vくらいあったので3端子レギュレータ入れたり、信号入力をとりあえず適当に抵抗分圧してオーバーしないようにして、出力は74HC04のパラ+抵抗で75Ω出力するようにしました。

これでFirefaceUCのワードクロック入力に入れるときちんとロックしたので、この状態でProToolsを立ち上げてアナログ盤を録音してみます。

完全に同期していれば同じ盤を2回録音したら時間軸では完全に一致するはずなのですが、多少は制御のズレが出てしまうようです。しかしながら2回同じ盤を録音したとき3分間での誤差は数サンプル程度。速度偏差にして0.0000036%とかなので、かなりイケてるんじゃないでしょうか。
ターンテーブルの回転数とデジタル録音のクロックが同期しているということはDAW上の時間軸がターンテーブルの回転数と全く偏差がない状態なので、速度偏差を全く気にせずにデータ化することができます。

ちなみに、麻丘めぐみの例の曲を改めてチェックしてみます。
BgRfIQBCMAA78.png

こうやって、レコードの再生速度が管理された状態であらためて比べてみると、mora盤があきらかに遅いのがわかるでしょう。

ドーナツ盤を基準として考えた場合、他の音源の速度偏差をざっと数値化すると

LP盤+0.1%
ハイレゾ+0.27%
mora配信-0.5%

ってな具合です。
まあ、速度偏差が±0%というのはデジタル録音なら簡単に実現できますが、アナログの場合はスタジオのマスターレコーダーであっても少なからず速度偏差が発生します。

実際、聴感上で問題ないレベルに抑える場合、これらの数値から判断するとスタジオレベルなら±0.1%くらいには収めてもらいたいなーといった印象です。

mora配信の-0.5%はプロのスタジオとしてはありえないと思うけど、一体どうしちゃったんだろうね。

ビクターのハイレゾ、再生速度やべえ

もうどうしようもないボロクソっぷりのビクターの麻丘めぐみのハイレゾ音源ですが、moraでも同じ曲が320kbps AACで配信されていることを知ったので、なんとなく試聴ボタンを押して聴いてみたのです。

そしたら、再生速度が遅いwwwwwww

すっごい気持ち悪い音。

デジタル時代に再生速度が変わるなんてありえないと思うんだけど、マスターテープから起こす時のデッキをちゃんと調整してなかったのかな? てか作る時聴いて気づかないのかよ。

カセットテープの頃なら速度が狂うとかあったけれど、市販されている音源で聴いて判るほどのピッチのズレがあるなんて初めてだぞ。

まあ、楽器の調律でいうA=440Hzが442Hzになったとか、その程度の違いなので聴いて判らない人も多いかもしれない。でも、レコーディングにおいて速度の管理ができていないって、どういうことだよ。

ちなみに、速度が違うのはシングル版として発売されているものと、「COLEZO!」というシリーズで発売されているもの。

moraの試聴ではどちらも一緒に遅く聴こえるのでファイルを共有しているのかもしれませんので、iTunes Storeで聴いてみてください。

麻丘めぐみituness


こんな感じで、ありとあらゆる麻丘めぐみの「夏八景」を並べてみると一目瞭然
麻丘めぐみ一斉比較s


一番開きがあったのは、ハイレゾ版とmoraのシングル版。聴感で正しく聴こえるのはLP盤およびCOLEZO!盤で、この2つはほぼ一緒で、ハイレゾ盤よりわずかに遅い感じです。
いままでハイレゾ版を聞いていた時は、LP盤とほとんど一緒で速度に異常を感じることはありませんでしたが、後ほどあらためて聴くと、なんだかちょっとアップテンポな印象も受けました。

麻丘めぐみmoraピッチs

ハイレゾ版とmora版を並べ、ヨーイドン! で再生すると、なんと曲の最後には1.6秒もズレていることがわかりました。

この結果から計算をすると、速度偏差として2つの関係は約0.8%。
サンプリング周波数で考えると、速い方が44.1kHzだとしたら遅い方は44.48kHzで再生しないと一緒の速度にならない計算。楽器の調律で考えたら、速い方がA=440Hzなら、遅い方はA=436Hzというくらい。




その後、メロダインを使ってイントロのストリングスの音を抜き出して調律を確認してみました。

mora
抜き出しmora


ハイレゾ
抜き出しハイレゾ


この結果を見ると、遅いと思っていたmoraにおいてA=442Hzという高めの数値が出ていることを知り、自分の感覚に不安を感じつつも、でもやっぱりmoraのは遅く、音が低く感じるんだよな。

まあ、同じ楽曲中でも別の楽器の音をチェックするとA=440Hzを示すものもあるし、ボーカルや弦に至っては必ずしもキッチリとした音が出るわけではないので、そういう面を考えると全体を通して聴いた時に、ちょうど中間的にバランスが取れたピッチとしてCOLEZO!のものが聴こえたのかもしれません。もしくはピッチの早いものを聴き続けたせいでそれに慣れてしまったのか…。


絶対的な判断基準が無いため、果たしてどの速度(音源)が本来の速度なのかわからないけれど、販売されている音源でここまで速度にバラツキがあるって、信じられないんだけど!

演奏者のひとたちもA=440Hzなのか442Hzなのかとか一応拘って演奏してるわけだから、録音の速度偏差もせめて1Hz以内くらいで収めてほしいよね。



ちなみにレーベルからの回答は「仕様です」とのことです。
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