ラブライブ! の32bit 整数ハイレゾ音源どうなんすか

ざっとメモ程度に。


■32bitのオーディオデータについて

業務用の制作環境であっても基本的にA/DコンバータやD/Aコンバータは24bitであり、一貫して32bitで作業できるDAWは一般的ではない(そもそも存在するのか?)というところ。

PC上の内部処理では演算の都合で32bit floatが用いられているが、入出力についてもAES/EBUなどの現状の接続方法では24bitまでの信号しか扱うことが出来ないこともあり、入力と出力では殆どの場合24bitとなる。

A/D、D/A変換においても現状の技術24bitのスペックを使い切ることは難しく、下位ビットについてはノイズで埋もれている場合が多く、有効な信号が含まれているかというと何といえないところ。
アナログ回路を含めたハードウェアトータルで24bitの分解能を活かせていない状態で、32bitの出力を行う意味があるのだろうか?



■ラブライブの32bit 整数 ハイレゾ音源について

この音源は元々24bit 48kHzで録音された素材を96kHzのデータにアップサンプリングしてミックスダウンをやりなおして、最終的に96kHz 32bitのデータとして書き出したものとのこと。
この段階ですでにネイティブではない所謂「ニセレゾ」音源である。これが「真の32bit」って嘘もいいところだ。
その話はさておき、では32bitで完成させるにあたって、作業中のモニターは32bitのD/Aコンバータから出力した音を聴いていたのかどうかという点が気になる。
そういった作業を行おうとすると編集ソフトやDAコンバータの選定においてかなりの制限を受けることになる。
おそらく作業では24bitの音声をモニターして、ファイル書き出しで32bitを選択したのではないかと予想される。32bit対応の民生機のプレーヤでチェックはしたらしいけれど…。

これを映像作品に例えると、普通のHDのビデオカメラで撮影したデータをパソコンで編集して、その時にチェックするのは4Kのディスプレイ。最終的には8Kのデータとして書き出しました。こんな感じじゃないかなと。

今回の作品が「32bit音源」としてユーザーが受け入れるために十分な作業プロセスがとられていたのかどうかが気になるところ。



■音どうなんすか
とりあえずスノハレを買ってみました。32bitの再生環境を持っていないので24bitに変換して、いや、いっそのこと16bitにしてサンプリング周波数も44.1kHzで聴いてみてもいいんじゃないかなってことに。
ミックスダウンをやり直しただけあって、聴いたときの音質の印象は良くなっているけれど、配信フォーマットが32bitや96kHzであることの恩恵というより、ミックスダウンの作業を音質を意識してやりなおしたことが大きいのではないかという印象。


もともとラブライブのCDは音質が悪いことで有名で、

シングル→音悪い
アルバム→もっと音悪い
ハイレゾ TRUE STUDIO MASTER→クソマスタリング前で少しマシ
ハイレゾ 32bit HD REBUILD MASTER→アイマスのCDくらいの音質

こんな感じで同じもの4回売って、ようやく人並みの音が出てきた感じ。
結果的に満足度の高いものが得られるようになったのは喜ばしいことではあるけれど、アニメ作品のブルーレイ化ににおける作画修正みたいなことを商品で何度も行ってその都度購入させるのではなく、最初からCDで手抜きせずに作ってくれたらそれで十分じゃないのかなーという感じでした。

これは32bitの音源をCDフォーマットに変換してCD音源とくらべてみると簡単に理解できることではないかなと思います。
CD音源と、CDフォーマットにダウンサンプリングした32bit音源で後者のほうが音が良いというのなら、最初からもっと良い音質でCD出せたよね…?

ちなみに32bit版の音源についてツイートでみかけた感想では、「低音盛りすぎ」「左右に流れる音の方向がCDと逆」「ミックスしなおしたせいで記憶にある楽曲と変わってしまっている」なんてのがありましたが、ミキシングをやり直したことを踏まえると、このあたりについて妥当な落とし所ではないかなと感じました。


さてさて次回以降の新作のCDがどんな音質でリリースされるのか、そこが気になるところです。
えげつない商売に見えていた部分が、過渡期で模索していたことによるものだったのか、実際そうだったのか、今後のCDの様子によって、そろそろ実態が見えてくるってところでしょうかね。




※コメントで指摘のあった部分などについて追記

・e-onkyoのスノハレのページに「CD発売時に制作したマスター音源はProTools|HDを使用し32bit floating/48kHzにて収録からミックスまでを行っております。」とありますが、ProTools HDであればA/Dコンバータやインターフェイスは24bitのはずなので、32bit floatingというのはファイル形式でそれを選択しただけのことであって、データの内容としては24bitでしかなかったと考えられる。

・32bit floatのマスターの音源から32bit 整数のフォーマットに変換すると、-54dBFS以上の領域においてはデータが足らず、アップコンバートされることになる。逆に-54dBFS未満においては32bit floatのほうが分解能が高くなるためダウンコンバートされることになる。32bit floatから24bit 整数に変換するのは全領域においてダウンコンバートとなり、演算のために32bit floatを選択した意味はありそうだが、有効な32bit 整数フォーマットの音源を書き出すためには、演算には64bit等のフォーマットの選択が必要なのではないか。
参考http://achapi2718.blogspot.jp/2011/12/32-bit-float-ieee-754.html
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