Audio Precision SYS-2722 vs. Rohde & Schwarz UPV

オーディオアナライザー
Audio Precision SYS-2722とR&S UPVの性能比較
やったことてきとーにかくよ!

1hwck8j4.jpg


■周波数特性
各アナライザのループバック時の周波数特性を確認します。


Audio Precision SYS-2722
apfreq2.png



R&S UPV
UPVfreq.png


SYS-2722は自己完結スイープできる周波数帯域が10Hz~120kHzであるのに対し、UPVでは0.1Hz~80kHzとなっています。
高域を優先するか低域を優先するかの違いはありますが、あなたならどちらを選びますか?




■THD+NとTHDについて

SYS-2722のジェネレータから1kHz 2Vrmsの信号を出力。
SYS-2722で測定した値と、UPVでの値を比較する。
SYS-2722のジェネレータを使用するのは、こちらのほうが
アナログオシレーターで低歪のため。


SYS-2722の場合、THD+Nの測定はアナログ回路(フィルタ)を用いて行われ、
THDの場合はDSPアナライザによって行われる。
UPVはDSPアナライザしか搭載していない。


SYS-2722での測定
帯域幅は便宜上、22~30kHzとした。
APTHD.png


THD+Nは0.00016%と、かなり優秀な値を示している。
しかしTHDは0.0003%と、何故かTHD+Nより悪い値となってしまっている。
これはSYS-2722のDSPアナライザに用いられているADコンバータの性能やビット深度に
よる測定限界だと考えられる。

※SYS-2722のDSPアナライザでは解像度優先(24bit 65536ks/s)や、
帯域幅優先(16bit 262144ks/s)のモードがあるが、帯域上限30kHzなので解像度優先にしたが、
性能限界があり、アナログアナライザの性能には及ばなかった。

ちなみに、DSPアナライザでTHD+Nを測定した場合、0.00054%と、かなり悪い値となった。

APTHD2.png




続いてUPVによる測定

UPVの場合、入力された信号はATTを通った後は直ちにADコンバートされ、すべてDSPベースの
測定になる。
サンプリング周波数は44.1kHz、48kHz、96kHz、192kHz、500kHzから選択できる。



THD+Nは0.00021%と、SYS-2722のTHD+Nには劣りはするものの、
DSPアナライザのTHDと比べたら優秀な値が出ている。

UPVTHD1.png


THDのみの測定の場合は0.00007%とという驚異的な値が観測できた。
これはSYS-2722の低歪オシレータの出力のうち、ノイズ成分を除去して高調波歪のみを
忠実に抽出できているといえるだろう。

UPVTHD2.png




上記をふまえて、例えば限りなく優秀なD/Aコンバータの測定を行って、THD+Nとして
優秀な数値を出したいのであれば、アナログ式のSYS-2722に軍配が上がるのではないかと。

そうではなく、ノイズと高調波歪を分けて分析したいような場合、高調波歪のみ測定
したいような場合はUPVが向いているといえるだろう。





■SYS-2722のアナログアナライザのTHD+N測定で、SYS-2722とUPVのジェネレータをチェック!

SYS-2722にはアナログ式のジェネレータと、D/Aコンバータを用いたデジタル式のジェネレータを搭載。
UPVにはデジタル式のジェネレータのみ搭載(オプションでアナログジェネレータがある)

1kHz 2Vrmsの信号を観測する。


SYS-2722のジェネレータの場合
先ほどと同じ条件なので、THD+Nで0.00016%、THDで0.0003%という値が出ている。
ジェネレータチェックAP




UPVのジェネレータの場合

THDは0.00031%と、SYS-2722と大差ない値が出ている(実際、THD測定は値にふらつきがある)が、
THD+Nのほうは何故か0.002%と、かなり悪い値となっている。これはUPVのジェネレータは、歪は
少ないがノイズが多いといえるだろう。
ジェネレータチェックUPV




ちなみにSYS-2722のデジタル式のジェネレータの場合は
THD+N 0.00044%
THD 0.00058%

となり、UPVのデジタルジェネレータより性能は悪いといえる。
ジェネレータチェックAP_DA






■UPVのTHD測定で、SYS-2722とUPVのジェネレータをチェック!

UPVのジェネレータ出力 THD 0.00013%
SYS-2722のジェネレータ出力 THD 0.00007%
SYS-2722のジェネレータ出力(デジタル) THD 0.00031%
ジェネレータチェック2_upv



最後に、UPVのFFTアナライザで2つの信号を観測してみました。
緑色がSYS-2722、黄色がUPV
2枚目画像の黄色は信号無入力時の残留ノイズです。
黄色UPV緑AP


この時、アナライザに無入力時のノイズフロアを確認すべく、黄色側を無入力にしました
黄色無入力緑AP



高調波の様子がわかりにくい(ジェネレータの同期でUPVの高調波が見えやすくなってる?)
ので、帯域を狭くした画像も載せておきます。
黄色UPV緑AP2



SYS-2722のデジタルジェネレータの信号(緑)もご覧ください。
黄色UPV緑APデジタル





どちらがいいかは各自かんがえてください!
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電子工作マガジンのバランスヘッドホンアンプ記事(地雷)

※注意

記事公開後に実際に製作しましたが、いくつかの問題点が発覚しています。

・出力端子のピン配列が間違っている(しかも既存の製品のピン配列と異なる)
・DCオフセットの調整が追い込めない
・ボリューム位置によって周波数特性が著しく悪化する
・ケース加工図は製作前に現物合わせで要確認

お気をつけください。




電子工作マガジン 2016夏号に

特性の良いバランス駆動を手作りアンプで体験してみよう
バランス駆動ヘッドフォンアンプの製作

という記事があったので、買ってみることにしました。
CltAz1wVYAAGO6h.jpg


CltAz7FUgAAx187.jpg

オペアンプよりヘッドフォンをドライブしやすいディスクリート構成で、約半分のCR、トランジスタのパーツは面実装品で基板に実装済みのものが販売されており、合計予算は3,707円とのことです。


基板は700円だけど送料が宅急便で500円(だけど緩衝材なしで封筒に入れて送るらしい)という時点で嫌な気はしていたのですが、勢いで頼むことになってしまいました。

本を買わないと必要な部品がわからないので本が届いてからリストを見ると、入手先は秋月電子と千石電商で、片っ端から通販のカゴに入れて注文。販売単位が10個だったりして、どうしても必要数のみで買えないこと、2箇所から購入することで送料もかさみ、3,707円で済むはずが、最終的に計算してみるとなんと5,887円もかかっていることに気づきました。これに本代を足すと7,087円もの金額に達しており、この数字をみると正直、買ったことを後悔してしまいました。

そうそう、無駄に1個120円もするWIMAのコンデンサを使っているわりには、他のところは昔懐かしいクリーム色で丸い形のセラミックコンデンサを使ってたり、ツマミが380円もしたりで、どうも理解しがたいこだわりも感じられ…。


さて、部品の手配も済んだところで記事を読んでみると、なんと!

CltG7ajUkAAPerf.jpg


設計に不備のある未完成品だったようです!





周波数特性グラフも載っていましたが、「可聴域の30Hz~20kHzにわたってほぼ周波数特性はフラット」なんて書いてあるわりには明らかなカマボコだし…
qindq64y.jpg




というわけで、買おうと思ってる方は気をつけましょう!


追記
記事中の回路図があまりにも見にくいので書き直してみました。
画像クリックで拡大
電子工作マガジン回路図


追記2
ボリューム位置によって周波数特性が著しく悪化する件について測定結果を掲載します。


最もフラットな特性が得られるボリューム最大時(グラフ水色)に対して、特性が最も悪くなるボリューム-6dBの位置(ピンク)といったようにボリューム位置によって周波数特性が悪化することがわかりました。
IMG_5274.jpg


ボリューム-6dB(電圧レベル半分)の位置
IMG_5276.jpg


理由はボリュームの後についているローパスフィルタ回路がボリュームの影響を受けてしまうことであり、
これは回路設計の不備であると考えられます。
IMG_5273.jpg
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