LXU-OT2王に!!! おれはなるっ!!!

突入電流対策と各所の最適な電解コンデンサの仕様の選定ですが、正直参ってくるくらい大変です。

なるべくまとめていきます。


R.さんからヒントをいただいたのですが、秋月のUSBDACのF1はポリスイッチであって、そこそこの抵抗分があるからパスコンが470μFでも突入電流が制限できているんじゃないかということですので基板を出してきてF1をチェックしたところ、7Ωほどの抵抗値がありました。なるほどこれで電流制限しているんですね。
USBがミニコネクタだったのでプローブ挟む用のケーブルを専用に作るのもなと思って測ってはいませんでしたが、これによって少なからず突入が抑えられていると思われます。秋月さん案外きちんとしていました。すみませんでした。


ではこれを真似ればいいのかな、ということになりますがLXU-OT2の場合はヘッドホンアンプで電流量も多いので全く一緒でいいとは限りません。

そもそも、最初の頃、ピー音対策として入力電流を制限すればDCDCが忙しくなってピーが出なくなるのではとテストをしたことがあったのですが、抵抗を入れるとDCDCがうまく動作しませんでした。
よって抵抗値も緻密な設計が必要ということになります。

とりあえず、DCDCの入力部でありC2の手前にあるL3を抵抗器に置き換えるテストをしてみます。
まず、抵抗値を数十Ω以上にすると、DCDCが動作できません。そして20Ωを超えるとヘッドホンでの音楽再生時に電源供給が間に合わなくなりDCDCの出力電圧がどんどん下がっていきます。

ではどのくらいの値にすれば良いのか考えてみます。
最大電流時で問題なく動作し、DCDCのチップMC34063の動作下限である3Vを下回らない電源供給をできるようにする必要があります。最大出力レベル0dBFsで20Hzあたりの信号を出力し、ヘッドホン出力を短絡して33Ω負荷となった場合でもDCDC入力が3Vを確保できていれば十分ではないでしょうか。

これを満たすべくテストを行った結果、5.6Ωであれば最低電圧をカバーできそうです。ちょっとギリギリですが、改造機では出力抵抗を100Ωにしていることや、テスト環境が出力短絡であること、サイン波でフルスケールという過酷条件でテストしていることを考慮すれば5.6Ωで良いと判断しました。


また、これを踏まえて電源まわりのコンデンサについて選定をしてきます。
なんでもいいところはオーディオ用、サイズや耐圧で制限のあるものは、それが確保できるものにしました。

まず、DCDC入力部のC2は一番重要です。5.6Ωの抵抗が入ったおかげで選択肢は広くなりました。
大容量か低ESRどちらを取るかですが、興味深いデータがでました。

470μFの通常品を使用するより、低ESRの220μFを使用したほうがリップルが減っています。
以下は無信号時にC2の電圧についてリップル分のみを観測したものです。


■ニチコンVZ 470μF 16Vにて
LXU-OT2_C2_nichiconVZ470uf16V.png


■CapXon 220μF 25Vにて
LXU-OT2_C2_CapXon220uf.png


■日ケミKZH 220μF 16Vにて
LXU-OT2_C2_KZH_220uf16V.png


ここは低ESR品を使うべき場所といえるのではないでしょうか。

KZH16VB 220M  16V 220μF を処方しておきますね。おだいじに。



続いてC18

これはUSBバスパワーに直に繋がるパスコンです。突入対策には極力減らしたい部分です。お情け程度に入れておきます。サイズの問題もないし、どうでもいいのでオーディオ用にしましょう。

UFG1H2R2M 2.2μ 50V でどうでしょう。


C33は3.3Vレギュレータの出力です。普通はあまり大きくしないのですが、ノイズ対策に100μFに増強していた部分です。なんとLT1117のデータシートにこんなことが書いてありました。

----------------------------------
通常、多くのレギュレータでは、大きな負過電流変化に対して良好な負荷過渡応答を得るために、容量100μF程度のコンデンサが使われます。出力コンデンサの容量は無制限に大きくすることができ、出力コンデンサの容量を大きくすればさらに安定性と過渡応答を改善することができます。
----------------------------------
スペース的に厳しいですが、6.3V品にすれば220μFが入りそうです。

KMG6.3VB220Mでいきましょう。



C3、ここはやぶ蛇にならないよう無難にいきましょう。
こんなときはオーディオ用で。

UFW1E221M 25V 220μFでいいんじゃないでしょうか。



C4なんですが、ここのコンデンサによって出力のTHD+Nが変わります。
470μFを入れたら何故かボリューム最大時に0.008%を超えてしまいました。DCDCに負担でもかかったのでしょうか。220μFにしとくのが良さそうです。

UFW1E221M 25V 220μFにしてみましょう。


最後にオペアンプのパスコンのC37、C30も低ESRはやめて、オーディオ用にしましょう。

UKW1E470M 25V 47μF ってとこかな。


それでは処方箋作っときますんで三栄電波いってきてください。





で、突入電流の話に戻ります。
ノーマル機も突入電流に対して規格内に収まっているかどうかは不明ですが、改造ということなので少なくともノーマルよりは良い値にしたいところです。



■ノーマルの突入電流 100mV/Aプローブにて
LXU-OT2_nor_rush2.png



■改造機の突入電流(対策後の暫定)
LXU-OT2_C2_KZH_220uf16V_5ohm6.png




あとバスパワーのリップル電圧もチェックします。ACカップリングにてリップル分のみの波形です。


■ノーマル L3両端 緑:USBコネクタ側 黄色:DCDC側
LXU-OT2_normal_L1_IO_ripple.png



■対策後 5.6Ω両端 緑:USBコネクタ側 黄色:DCDC側
LXU-OT2_lesr_L1_IO_ripple.png















「勝ったな」





■コンデンサ交換リストRev.B(未チェック)
LXU-OT2_cap_higradeB.png

この他にL3を5.6Ω 1/4Wの抵抗に交換
そしてボリュームは、どうもこれが音がいい気がします。抵抗値のせいか物のせいかわかりませんが。

その他チップ部品等はここを参照してください。


※追記

最新版はこちらです。
http://fixerhpa.blog.fc2.com/blog-entry-121.html
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No title

勝ちましたね。
処方せん、いただきました。

No title

こなれんず さま


大体大丈夫だとは思いますけれど、まだ現物でテストしてないので気をつけてくださいね

No title

fixerさん

LTspiceでMC34063Aの動作を調べていますが、C11を交換するとTonが短くなって、結果L3に流れる電流の波高値が小さくなるはずです。
実験したLXU-OT2が改造済みだとすると、ノーマルでは抵抗をもっと小さくしないと、抵抗での電圧ドロップが大きすぎて、コンバーターが動作しないかもしれませんね。

No title

R. さま

補足ありがとうございます。助かります。

C11の発振周波数は改造前提でもいいかなと思うのですが、
私の場合はR30を1.2kΩで電圧も15Vくらいに上げてますので、ここもデフォルトだと変わってくるかもしれません。確かに注意が必要ですね。

抵抗をこれ以上小さくすると意味がなくなってしまうでしょうから。なるべく抵抗が大きくても動く環境にするのが望ましいと思います。

それにしてもバスパワーのラインが綺麗になる効果も得られてよかったです。PCへの負担も減りそうです。

No title

一日見てない間に凄い事になってた・・・。
ウチみたいにうろ覚えの適当では無く理論と実践で詰めて行く姿勢、素晴らしいの一言に尽きます。
USBオーディオとしてはほぼ理想的な入り口になってますね。

次は昇圧後で(ry
と言うのは冗談ですが昇圧後の波形見て絶望してMC34063Aを自分は上手くコントロール出来る
自信が無かったので早々にNJM2374に載せ変えてしまったんですよね。
fixerさんはこの調子ならノーマル構成のままで上手く改善出来そうで。羨ましい限りです。

No title

そういえばラックスマンのUSBケーブルのせいか、LXU-OT2のコネクタの問題かわからないけれど、たまに接点不良が起こるらしくてブチッとノイズを立てて途切れることがある。
もしかして突入電流でやられてしまったのかもしれない。もう相当数抜き差しもしているし真相はわからないけど、気をつけないといけないね。

No title

通りすがり さま

コメントありがとうございます。
なんかもう次々に未知なることばかりで正直私の対応できる範囲を超えてしまっています。
早いとこ片付けて精神的にも落ち着きたいのですが、まさかこんなにネタが続くとは思いませんでした。

コンデンサ、いままで正直ナメてました。
まあ普通はここまで追い込む必要もないでしょうし、追い込んだところで初期性能がいつまで維持できるかも不明ですし。
普段は干上がった低ESRより標準品に貼り替えたほうがいいだろとか、あまり気にしないでやってましたし、実害も出ることもなかったですがいざ特性を追い込もうとなるとコンデンサ1個にここまで神経使わないといけないのかと驚きです。

普通に考えたらNJM2374に交換するのが良いと思います。
もともとそこまでやるつもりがなかったのと、ついでに買えそうなお店が見つからなかったので34063で続けることになってしまったのです。

昇圧後の回路はどうでしょうね。オペアンプ回路だしPSRRあるしなんて思ってましたがパスコンで低域がなんて話もありますし、C4あたりでも低域が変わるように思いますし。

最初に手をつけた仮想GNDのあたりで十分対策したかなって思っていますがどうでしょう。


肝心の音ですが、どんどんクリアで聴き心地のいい音になっていっていると感じています。耳が肥えたのか最初の改造版が歪っぽく感じるようになりました。あれはあれで好きなのでもう絶対コテア当てないと決め手いますけどね。

ひきつづき宜しくお願いします。

No title

めざせ、改造王!!

No title

もう十分だと思っているのですが、まだネタありますかね

まだ称号はもらえないのでしょうか…

No title

「LXU-OT2王」については、かなりいい線行っていると思う。
後は、アイソレーターついでにDとAの電源分離(とTCXO)とか、、、
それと、HPAとして使うには重いケースが必要だね。




No title

ありがとうございます。

LXU-OT2王としてはオリジナルの基板を尊重し、パターンカットや変更は行わない方針であるべきと考えます。

TCXOについては音声ライン関係ないですよってことで結論出しましたが、だめでしょうかね。

No title

五重の塔ワロタ。 
この写真だけで、「LXU-OT2王」であることに異議なし。

ま、TCXOは火であぶったからよしとするか。
というか、10度違ってもΔf/fって10-6乗単位でしか、
変わってこないって事は、たとえ12.0000Mhz位の
精度はあるってことだろうしね。
PCのほうが温度変動多いだろうから、再生クロックが
の正確性のほうが問題だろうし、それ言っちゃったら、
AD変換時に何使っているかから、こだわんなくちゃ
いけなくなりそうだし、、、

No title

ありがとうございます。

この高さピッチで並べると爽快です。
けっして合成ではないですよ。

オーディオのクロックがPC基準だとすると、PC内の水晶に依存するってことでしょうか。まあサンプリング周波数の整数倍とかではないでしょうから、PLLなりで作っているんでしょうけれど。

制作用のオーディオインターフェイスでワードクロック入れられるようなものの場合はインターフェイス側がマスターにできるみたいですけどね。

WASAPIはともかくASIOだとクロックはデバイス依存になるんでしょうか。そのあたり不明です。


ルビジウムクロック! なんて謳ってるCDでも、バージョン違いの盤で並べて再生するとズレていくのを経験したことがあるので、時間軸に対しては残念ながらそこまで管理されていないと思われます。


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