ヘッドホンアンプ設計・試作その1

ここのブログでは、付録のヘッドホンアンプの改造とか市販品の解析とかやってきましたが、そういえばオリジナル設計での製作とかやってないなーと思って、久々に新規で起こすことにしました。

というのも、昨日は金曜ロードショーでラピュタを観てたんですよ。せっかくなので音声はちゃんとモニタースピーカーに繋いで。しかも地デジで観るのは始めてなので、たぶん今までで最もハイクォリティなラピュタでした。
するとどうでしょう。ムスカとシータの声が、張りががあってすごい良い雰囲気を出してるんですよ。当時どんな環境で作ってたんでしょう。1インチテープのアナログマルチとかでアフレコしてたんでしょうか。これ音声もフィルムから起こしてるのかな? 光学録音も通ってるんでしょうか。記録系の非線形性のせいなんだろうけど、とにかく絶妙な歪っぽさがあって、こういう音もいいなって思ったんですよ。

まあここまで極端じゃなくっても、最近は低歪のデジタル録音でガチガチの音ばかりだから(まあこれはこれで高忠実度で良いんですが)ふと、アナログの飽和っぽい雰囲気がさり気なく盛り込まれた再生もいいなってことで、そういった要素を盛り込んだヘッドホンアンプを組むことにしました。

とはいっても、部品点数が多かったり、回路が複雑なものは再現度が低いですし作るのも大変です。
そこでピンポイントに必要箇所だけ抑えて、極力シンプルに回路を組むことにしました。

今回はなんと、抵抗器すら使いません。半導体とトランスだけ!!
電源は9V乾電池1個。


アンプ部分にはバランスドライバICのDRV134を使用。これはオペアンプのアンバランス-バランス変換回路とドライブ回路を1つのパッケージにまとめたICで、業務用のバランス出力に使われているものです。
スピーカー用のアンプICを使う手もあるのですが、それだとSN面で満足な値が得られないことが多いので、今回初の試みでバランスドライバを使ってみることにしました。外付け部品は基本的に要りません!

このICを使えばBTLと同じように電源電圧に対して倍の出力が得られるので電源面やSN面でも有利です。この出力をトランスを使ってアンバランスに変換します。
その際に、トランスならではの音の持ち味を活かせるようパラメータを設定します。隠し味が主張しすぎず、程よくなるように。
IMG_0840.jpg

最初はもうこんな感じで、色々なトランスを繋いでレベルや音質、周波数特性などをチェックします。
この時はまだ思いつくままに回路を実験している段階で、出力もモノラルです。
元々、電流駆動ぽいこともやってみたいな、なんて思ってたのでSense端子に帰還かけてみたりもしたのですが、結局はトランスを低インピーダンスで駆動したほうが良さそうな感じでした。


次の段階でようやくステレオに。
IMG_0841_20130803224604ca4.jpg

さすがにモノラル、しかもステレオソースのLchだけ聴いてても限界があるので、手持ちのタムラのトランスでステレオ化して組んでみました。この時もまだ帰還やらタップをどう使うか試行錯誤をしていたのでミノムシ線だらけです。
ご覧のとおり、部品はトランスとDRV134だけで、他は何もありません。
電源はこの段階では安定化電源で±供給していますが、単電源でもいけそうです。電源GNDを浮かせてV+とV-に単電源を繋いでも、フィードバックのおかげか意外と普通に動くんですが、負荷が軽い時や歪率の面でちょっと不利みたいなので、追々はレールスプリッターでも噛ませようかと思ってます。抵抗分圧でも良いつっちゃ良いんだけど、今回は抵抗は1本たりとも使わない方向で!

とりあえず試作は出来上がりーって感じなんですが、これがまたいい雰囲気の音出るんですよ。ラピュタみたいに明らかな歪みっぽさを感じるわけではないんだけど、うっすらと低域が歪みはじめるあたりのレベルで動作させているので、大音量にするにつれて少しずつさりげなく歪んでいく感じというんでしょうか。高域の歪みではないので痛々しくはなく、聞こえづらい低音域を膨らませつつ聴きやすい具合になりそうです。

トランスはタムラは入手難しいし、専用設計してもいいけどコストが上がると作り辛いのでどうしようかと悩んでいたのですが、ふとサンスイのトランスを試してみると、全然問題ないというかむしろ丁度いい飽和具合。
もう少しチェックはしてみますが、多分サンスイで十分な品質が得られそうな感触です。19mmコアで済むのならサイズ面でも魅力的です。

サンスイのトランスなら、近年値段が上がったといえ600円くらいで入手できます。あとはDRV134が国内だと1000円弱と若干高いですが、この2つだけ揃えれば必要なのはあとコネクタと電池とレールスプリッター位なもんです。

ユニバーサル基板の上にちょちょいと組んで、トランスの持ち味を生かしたアナログライクな音が楽しめたら簡単で再現性も高く実用的で面白いんじゃないでしょうか。

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