接続ケーブルの線間容量による高域低下

アナログ音声信号のライン接続を行う場合、通常はロー出しハイ受けになっているため、ケーブル長が数十メートル以上にならない限りはケーブルで高域低下を起こすようなことはありませんが、例えばエレキギターの接続に用いるシールド線なんかの場合はギター側の出力インピーダンスが数kΩと高いため、線間容量の低いケーブルを短距離で使用しないと高域成分が低下してしまいます。

測定器で周波数特性などを測る場合も、被測定物の出力インピーダンスが高い場合があり、この場合はケーブルの線間容量に気をつけないと、測定結果が正しくないものになってしまいます。

回路中から分岐した信号をアナライザに入力する場合や、二次側のインピーダンスの高いトランスの出力を測る場合などは要注意です。

線間容量の影響がありそうな場合はアナライザに最短で直結しますが、この場合はアナライザの入力容量(100pFくらいとか)の最低限となります。

とはいえ、毎回最短距離でハンダ付けしたりするわけにもいかず、被測定物とアナライザをどうしてもケーブルで接続しないといけない場合もあります。
この時、ケーブルの線間容量による影響を最低限にするため、なるべく線間容量の低いケーブルを探してみました。

XLRコネクタで差動で使うのに都合が良さそう、ということで通常のバランスライン接続用と同じ構造で、線間容量が低いAES/EBUのデジタルオーディオ伝送用のケーブルを見つけました。BELDENの1800Fです。信号線間の容量は約40pF/mと、通常のラインケーブルの数分の一に抑えられています。さすが高周波伝送用のケーブルです。

IMG_0950.jpg

1800Fで50cmのXLRケーブルを作成し、手元にあった通常のマイクケーブルと比較してみました。

IMG_0951.jpg


線間容量

BELDEN 1800F 50cm 29pF
CANARE 4E6S 60cm 89pF
CANARE 4E5C 150cm 216pF

というわけで、ケーブル長が短いこともありますが、BELDEN 1800Fを用いることで線間容量の低い接続ケーブルを作成することができました。



では、この3本のケーブルを用いて周波数特性を測ってみます。
オシレータの出力には抵抗を入れて送り出しインピーダンスを10kΩにし、負荷は200kΩです。

cable_cap.png

青 :BELDEN 1800F 50cm
水色:CANARE 4E6S 60cm
緑 :CANARE 4E5C 150cm

といった具合で、僅かといえばそれまでですが、測定結果に違いが出ることが確認できました。
送り出しインピーダンスが10kΩより高い場合は、さらにケーブルの容量、そしてアナライザの入力容量の影響を受けることになります。


てなわけで、送り出しインピーダンスが高い場合の測定においてはより正確な値を得るためにケーブルの質や長さに注意をしましょう。
オーディオ機器同士の接続でも機器の出力インピーダンスが高い場合は同様に配慮する必要があります。
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