ランティスのアニソン ハイレゾ音源4

ランティス最初のハイレゾ配信から1ヶ月。前回の配信ではミックスダウンが終わった段階のマスターファイルをそのまま配信する「TRUE STUDIO MASTER」でしたが、今回はマスターデータを最新の環境でハイレゾ形式にリマスタリングした「HD RENEWAL MASTER」らしいです。


本当はtwitterで見つけたラブライブのMusic S.T.A.R.T!!で「ダンスに合わせてキャラクターごとの音像を入れ替えているこだわりのPV」でキャラクターが画面上での並び順とスピーカーから出てくる並び順が違ってるとか、右側で歌ってるのに左から歌が聴こえてくるというネタが面白いんですが、これはもう少しお待ちください。


正直いい内容ではないので、サクサクッといきましょう。

購入したのは麻生夏子のダイヤモンドスター☆の96kHz 24bit版です。

まずはメタデーター
ダイヤモンドスターメタデータs

前回と同様、配信されたWAVにはしっかりとProToolsのメタデーターが残っていました。
メタデーターの情報からわかることは、

・このファイルはProToolsで出力されたものであろう
・配信日の2013/11/29 2:12と、早朝に生成されたものである

という2点です。

てか、ProToolsはどちらかというとミックスダウンまでの作業で使うシステムなので、普通きちんとしたマスタリングスタジオだったらProToolsでマスターを録音することは無いんじゃないかなと思うのですが、まあファイルの体裁を整えるために使ったのかもしれません。


CDとの比較波形
ダイヤモンドスター波形
この解説は以前の記事を見ていただきたいのですが、今回のこの曲に関しては比較的音圧の上げ方は緩やかではないかという感じがします。
しかし、ハイレゾ版とCDを比べてハイレゾ版の音が良いなと感じた場合でもハイレゾが良いのではなく「CD版は不適切な音圧処理で音が悪いものに仕上げられているからだ」といえると思います。


スペクトラム波形
ダイヤモンドスターspect2s

CD版との比較
ダイヤモンドスターspect3


これが今回の重要ポイントです。

サンプリング周波数が96kHzと高い値であることがハイレゾ音源の売りであるわけですが、ファイルに記録することのできる最大周波数は理論上、サンプリング周波数の半分までとなります。
CDですとfs=44.1kHzなので記録上限は22.05kHzまで。fs=96kHzのハイレゾならこれが48kHzまで記録できることになります。
しかし、スペアナの波形を観る限り何故かハイレゾ音源の記録上限は24kHz留まり。早い話がマスターファイルのサンプリング周波数がせいぜい48kHzで、これをハイレゾの器に入れただけだということです。
実際、古い音源ですとマスターがハイレゾでない場合が多いのですが、e-onkyoではこういった古い素材の場合ビクターのK2とかいう補完技術を使って高域を合成したりしているようです。まあこれがハイレゾと言えるかどうかは置いといて…。
少なくとも今回のは補完するでもなく、ただファイルサイズが無駄に大きくなっているだけといえるでしょう。

せっかくなので実際の波形を使って実験します。



サンプリング周波数が96kHzだけど、サンプリング周波数48kHz相当の音しか入っていないファイルを、サンプリング周波数48kHzにダウンサンプリングして、再度96kHzにアップサンプリングした場合
麻生夏子波形比較のコピーs

ご覧のように、48kHzにした段階で画面上では波形が荒くなっているように見えますが、96kHzに戻すと最初の波形と遜色ない状態に戻ります。48kHzにしても情報は減っておらず、もともと48kHzの器に入るデータしか存在しなかったことを意味します。


次に、48kHzの器に24kHzまでの信号が入っている本来の状態の波形を、今度はサンプリング周波数24kHzに下げ、48kHzに戻してみます。
麻生夏子波形比較2のコピーs
元々記録限界まで収められている信号の器を一旦小さくすると、記録信号のうち周波数の高く波形が鋭い部分が無くなってしまうことが確認できました。


ということで、96kHzのハイレゾでも見合った中身が入っていないとあんまり意味が無いよ。記録上限はCD版と殆ど変わらないじゃん? ということが確認できました。



あと気になった点は

波形を拡大して見た時の直感では、どうも高域成分が多いように感じられた。曲頭の部分は伴奏がなく声だけだが、歪系のエフェクトを掛けたような音がする。(まあ演出としては有りだけど)

ハイレゾの歌入り版とオフボーカル版のファイルサイズがサンプル単位で合致している。CD版と比べて音圧は5dBくらい低い。時間軸は完全に一致。これとProToolsのメタデータで歌入り版とオフボーカル版の生成時刻が5秒しか変わらないことなどから総合的に考えると

「リマスタリングしたわけじゃなくて、ミックスダウンしたデーターをランティスのプロデューサーさんが締め切り間際の早朝に寝ぼけ眼でアップコンバートのファイル変換しただけじゃないの?」

という推測をしたところで今日の話を締めたいと思います。



でもランティスさんがハイレゾ始めてくれたおかげでユーザー側もいままで気にしなかった音質の良し悪しに興味を持ったり、CDの音圧競争の問題や、わざと音を悪く作ってあることを実感したりとなかなか良い方向に動いているんじゃないかと感じています。

これをきっかけに今後、適正なレベル管理をされた音のよいCDがたくさん出回ることを期待しています。


ハイレゾ! ローファイ! ハイコスト!

早い! 安い! デカい!

(納期が! 制作費が! 音圧が!)


ということで、どれとは言いませんが世の中には粗悪なハイレゾ音源も存在するようですので気をつけましょう。
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