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iTunesのサウンドチェック(自動音量調整)機能

前回の記事で出てきたiTunesのSound Check機能について、実際にはどういった動作をしているのか調べてみました。


この機能についてはiTunesの再生環境設定にて行います。

soundchecksett.png


この設定を行うと、既にiTunes内に取り込んである音楽ファイルについて音量のスキャンが開始されます。


スキャンが終わると、ファイルの詳細にボリューム情報が記載されているのを確認することができます。

soundcheckprop.png

どういった基準レベルを用いているのかは不明ですが、例えばμ'sのMusic S.T.A.R.T!!では-12.4dBという値が出ています。これは、iTunesの基準レベルから12.4dBオーバーしているので、再生時にこれだけ下げてやるからな。という意味です。



サウンドチェック機能について調べてみたこと


■ラウドネスレベルに関した測定環境が無いため、従来のVUメーター(SIFAM R22AF)で確認したところ、おおむね-17dBFS=0VUくらいが基準レベルになっているようです。音圧の低いソース(Donald Fagen I.G.Y)から、海苔波形のMusic S.T.A.R.T!!までVUメーターが綺麗に揃います。

■ボリューム情報は数値としてはかなり大きな値になる場合もありますが、実際に補正されるのは±12dBの範囲に留まるようです。例えば1kHz 0dBFSのサイン波信号はボリューム値が-16.9dBとなりますが、実際には-12dBの処理がなされます。Music S.T.A.R.T!!をDAWで-40dBにレベルを落としたものを入力すると、ボリューム値は+23dBとなりますが、実際に補正されるのは+12dBです。

■メタデータ上でアルバム名が同じ場合、個々の曲に対してのレベル調整は行われず、アルバム全体で同じ値(平均値?)での処理がなされるようです。これがMastered for iTunesの文書中にあるピンクフロイドのアルバムの話のことなのでしょう。

■iOS7では"音量の自動調整"という名前でサウンドチェックが機能するようです。なお、ボリューム情報が記載されていない音声データではiOS上でのサウンドチェック機能は働かないようです。なお、現行の音圧の高いソースは-12dBボリュームを下げられるため、能率の悪いヘッドホン等では音量不足になる可能性があります。これは西暦2000年以前の音圧の低いCD音源よりも、もっと低い音量です。

■サウンドチェック機能は、あくまで楽曲単位で再生音量を調節するものであって、曲中でボリューム値が変動するものではない。すなわちコンプレッサー的な要素は無い。



それでは、いよいよ波形のチェックです。
音圧や収録レベルの異なる音源を並べてiTunesのサウンドチェック機能をON。この状態で再生してProToolsに流し込み、波形の変化を確認します。なお、上記のレベル変化についての確認はこのデータをもとに行っています。


曲順(左より)
μ's(ラブライブ!) - Music S.T.A.R.T!!
B.B.クィーンズ - Complete Of B.B.Queens At The Being Studio - 13 君にコケコッコー!
B.B.クィーンズ - PARTY - 06 君にコケコッコー!
Donald Fagen - The Nightfly - 01 I.G.Y
テラークデジタル チャイコフスキー1812
μ's - Mermaid festa vol. 1 シングル
μ's - Mermaid festa vol. 1 アルバム
μ's - Mermaid festa vol. 1 ハイレゾ
μ's - Mermaid festa vol. 1 自家製修正版



ピークレベル波形(画像クリックで拡大)
上:オリジナルwav 下:iTunes再生出力
soundcheckpeak.png

ご覧のとおり、音圧の高い海苔波形の曲はサウンドチェック機能の通関を通ることが出来ず、健全波形の曲よりも小さくなってしまう程、レベルが下げられているのがわかります。

これにより言えることは、マキシマイザを駆使して音が割れてまで音圧を上げてしまってもその分レベルが下げられてしまうので、ピークレベルを押さえ込んだだけ結果的に損をしているということです。

なお、iTunesの再生において聴感上やVUメーターでは音量が揃っているにもかかわらず、波形では楽曲ごとの波形の大きさにバラつきがある理由は、波形をピークレベルでみているからです。



ProToolsでは波形をパワー表示に切り替えることができるので、こちらも確認します。


パワー(音量)波形(画像クリックで拡大)
soundcheckpower.png


すると、元の状態ではバラバラの音圧だった音源たちが、iTunes再生出力では綺麗に揃っていることが確認できました。これは見事です。


こんな具合でサウンドチェック機能について大体の動作がわかったかと思います。

この機能について、どれだけ有用であるのかは不明な部分もあります。
再生機器は0dBFSを超える信号を出せませんので、この手法の場合はどうしても音量を絞る方向での対応となってしまいます。この場合、ヘッドホンでの最大音量が小さくなっちゃうとか、ソースの16bitの分解能が狭められてしまうといった問題があります。
しかし、音圧調整をコンプレッサー的な動作を行わない音量調節に留めている点や、アルバム単位での音量調節を行う点など、Appleとしては最大限、楽曲の制作者の表現を変化させない方向で機能を作成したのは色々と検討を行った結果なんだなと実感しました。音圧戦争への対抗の手始めとしては良い落とし所なのではないでしょうか。
自分だったら、CD等の音源は音楽を大切に聴く人を優先してマスタリングし、「音が割れても大きく聞こえたほうがいい用途」向けにはiPodにマキシマイザ機能を入れてテキトーに音圧上げてやればいいんじゃねーの?と思ったりする位だったので、機能の内容を調査した結果には、驚きを隠せない感じでありました。

さて、今後どうなっていくんでしょうかね
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