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ヘッドホンマッチングトランス小型版試作2

DSC_4255.jpg


前回の続きでトランス屋さんから4倍巻いたものと、3倍巻いたものが上がってきたのでテストをしました。

当初の予想通りなものの、やはりコアが小さくなると余裕がなくなるのでコアが大きい場合よりピンポイントで適正値を攻める必要がでてきます。

コアが大きいものについては理想形に仕上がったものがあるので
http://fixerhpa.web.fc2.com/ipodz/index.htm
http://fixerhpa.blog.fc2.com/blog-category-2.html

これを使えば何の問題もないのですが、せっかくなので小型版がどこまでいけるのか、また上記の物とはまた違ったアプローチが出来ないかを考えつつ、勉強を兼ねながらもう少しやってみることにします。


とりあえず現段階の試作品(4倍巻きと3倍巻)について打ち合わせに使った資料を加筆修正しながら掲載していきます。



このトランスは、iPodの出力とヘッドホンの間に入れて、より音を大きくするために使うものです。
iPodからはサイン波で最大1Vrmsの信号が出てきます。ヘッドホンのインピーダンスは低いもので16Ω程度ですが、高いものだと250Ωや600Ωといったものがあります。iPodの出力インピーダンスはほぼ0Ωなので、ヘッドホンのインピーダンスは何Ωであっても最大1Vrmsという同じ電圧が掛かります。よって、16Ωのヘッドホンなら60mWほどの出力が出せますが、250Ωだと4mWにしかなりません。
そこで、トランスを入れることで250Ωのヘッドホンにより大きな電圧を掛けて大きな出力を得たいのです。

トランス概要


以前製作した28mmコアのA28-185を含めて特性をとってみました。最初に10mVのグラフをご覧ください。iPodに見立てた発振器を用意して、10mVを出力。トランスを使用しないで直接256Ωの負荷を繋いだ場合が青い線です。これを0dBrとして基準とします。この時、A28-185(紫色)だと+12dB(40mV)近くの電圧が掛けられるようになり、とても理想的な状態です。
今回、最初に製作したA19-489(藍色)もこれとほぼ同じで一見理想的に見えます。その後4倍で製作したA19-495(桃色)は、電圧が下がって+6dB(20mV)程度となり、トランスを入れた時の効果が小さくなってしまいました。そこで最後に製作した3倍のものがA19-496(水色)で、これは電圧的には中間くらいに収まっています。

10mV比較






続いて1Vでのグラフを見てください。こちらは飽和具合を見るために電圧を上げたものです。
先ほどでは一見同じように見えた28mmコアと19mmコアの違いがはっきりと出ています。実際の音楽信号の場合でどのくらいの歪が問題になるかというのはデータで示すのは難しいのですが、今回の使用条件の場合、A19-489(黄色)だと音量を大きくした時に低音が飽和して音が割れるのが分かってしまい、できればもう少し余裕が欲しいといった感じでした。
3倍巻きと4倍巻きについては聴感上での飽和の問題は全くありませんでしたが、トランスでのロスが増えてしまったため、そもそもそこまで大きな音量が出ていないのでは、という面もあります。

1V比較


というわけで、"音の大きくなる効果は小さいけれど、最大にボリュームを上げても音が割れない3倍巻き"と、"音は大きく効果が大きいけれど、ボリュームを最大まで上げると音が割れてしまうので場合によりボリュームを少し下げて使う必要のある基準巻数のA19-489"で判断に悩みました。


今後、もう少し特性を追い込むことができるとしたら、同じコアで考えた場合は巻数を2倍あたりにして飽和と音量の両立する部分に追い込むのがどうかとは考えていました。
3倍、4倍と巻数が多いものは高域の低下も目立ちます。音としては殆ど問題にならない程度ですが、こうやってデータを見ると20kHzで-5dBというのは厳しく、3倍巻きでの-3dBでなんとか許容範囲な印象です。この部分を改善するにはやはり巻数を減らす必要があるのではと考えます。巻数を2倍にすることで変圧比は下がりますが、線径を太くすることで銅損が減らせるので結果的にヘッドホンにより大きな電圧を掛けられるのではないかという考えです。
もちろん、巻数を3倍のまま線径を太くできれば言うこと無しなのですが…。

さて、コア材を変更した場合ですが、珪素鋼板だとおそらく低域も高域も確保できないのではないかと考えています。PBパーマロイの場合どうかというのは気になってはいたのですが、周波数特性やロスを犠牲にすることなく飽和のマージンを確保することはできるものなのだろうか?



という感じで、19mmの小さいコア、そして容積の限られたボビンにどれだけの太さの線を何回巻くか。ここらへんが良いトランス造りの腕の見せ所となるようです。
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