LXU-OT2が「ちっばい」な件

下の記事でLXU-OT2の仮想GNDの電解(C7)が100μFでは小さすぎるため低域でのクロストークが懸念されるという話を書きました。バイパスコンデンサが小さいので、「ちっばい」と略すことにします。

回路図上では22μFと書かれていたので、一応増強して100μFにしたようなのですが、測定結果をみるとまだまだ不足です。

測定条件は0dBFs信号で負荷は32Ω。改造品なのでオリジナルを測定した場合とは異なる可能性がありますが、少なくともこれより良い値になることはないと思います。(注1)
なぜなら送出インピーダンスを大きくしていること、そして1/2VCCの電圧変動は負荷の大小にかかわらず発生していることからです。


LXU-OT2_Xtalk.gif

赤線がデフォルトの100μFでのクロストーク特性で、青線が470μFに増強した後の特性です。
高域ではさほど差がないものの、デフォルトの低域ではクロストークの悪化が顕著にみられます。
100Hzでは-55dB、20Hzに至っては-40dBほどにまで悪化しています。
コンデンサの増強がいかに効果的であるかご覧いただけたでしょう。

なお、470μFでも不足気味に見えなくもないですが、あまり大きくすると電源投入時に動作安定までに時間がかかったりノイズ発生の原因になる可能性があるのでこの程度で抑えておきました。
また、どちらの測定でも+12Vラインのバイパスコンデンサ(C4)は100μFから470μFに増強した状態になっています。あわせて増強しておくことをおすすめしますが、こちらもあまり大きくするとDCDCの動作に影響を与えかねないので程々に。


さて、このクロストークが聴感上に与える影響ですが、ヘッドホンで聴いた場合は音の広がり方の違いとして感じ取ることができると思います。容量が少ない場合は音が平面的になり、低音が出ず、センター定位もはっきりしません。コンデンサーを取り去った状態が一番顕著に感じ取れると思います。これは是非試してみてください。

ひょっとすると、この値が少ないほうが「良い音だ」と感じる人もいるかもしれません。
電子回路として考えるとLXU-OT2の初期状態は設計不良と考えられますが、もーしかするとこれはLUXMANの音作りの一環なのかもしれません。

皆様はどう考えますか?



■追記

改造後、試聴を行なっていますが、確かに増強後のほうが音像のはっきりした存在感があって正しい音なんだと思います。ただ、主張がありすぎてうるさく感じる人もいるかもしれません。
豊かな音像の「でかばい」適度な緩さのある「ちっばい」好みはそれぞれだと思います。



■さらに追記


なにこれ! 回路図と違って基板上には+6Vの仮想GNDが2系統あるぞwwwwwwww

昨日対策した、回路図上にあるR18とR20で分圧してC7がパスコンの仮想GND(TP3 +6V)とは別に、
R17とR31で分圧してC6がパスコンのTP4 +6Vがもうひとつある…。
TPが2つあるのは不思議に思っていたけど、まさか、ね。

前者がU1近辺用、後者がU2近辺用みたい。

いままで無視していたTP4側の仮想GNDを見てびっくり!
20Hz0dBFsの信号入れたら無負荷で200mVp-pくらい変動してるぞ。これはさすがに在り得ない。
もしかしてデフォルトの回路で高出力で歪んでたのはこれのせい!?
電源電圧が12Vの割には歪みやすいような感覚で不思議に思っていたんだけれど。。(注1)


↓綺麗なサイン波してるだろ? GNDなんだぜ、これ。
IMG_0065.jpg




それに、そもそも仮想GNDを2つも作る意味って何だよwwwww


なんだよこれwwwwwwwwwww




■追記
注1

このあたりの仮想GNDの変動ですが、ヘッドホンアンプ段のオペアンプの出力と-入力を短絡して全帰還にしていたので結果的に出力が2.4kΩ(回路図上では3.9kΩなのに)という思いのほか小さい抵抗によって仮想GNDに落ちていたため、特に大きな値が出ていた可能性があります。
でも元々2.6倍のゲインを1倍に減らしたわけだから、抵抗経由で流れる電流も半分以下になるはずで、結果的には大差ないのかな…?

基板が既に戻せない状態にあるため、他の個体を入手したら最終的にあらためてチェックしたいと思います。
いずれにせよ、低域クロストークの数値は他サイトの測定結果にもありますし、仮想GNDの問題は改善すべきものであることには変わりません。

■追記
ノーマル状態での+6Vラインの揺れについてチェックしました。
20Hz0dBFs信号出力時無負荷ボリューム最大にてTP3が80mVp-p、TP4が240mVp-p程の揺れがあることが確認できました。上記の波形のようにサイン波と、あとノーマル状態のせいか高周波ノイズが重畳していました。
仮想GNDというか、仮装GNDっていうか、GNDになりきれてない感があります。
この状態でのch間クロストークは負荷の有無にかかわらず-30dB程度でした。
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No title

やっぱ増強して良かったなあ。
送出インピーダンスの増加と相まって低域がずいぶん豊かに広がるようになったよ。
当初からノートPCのヘッドホン端子と比較しながらチェックしてるけど、これならいける。
なんかノートPCのほうだと喉の奥をヒクヒクしたくなる変な感じ。いやこれも普通に悪くないんだけどさ、なんか音が定まらなくて不安定感があるというか。

No title

そう、この分圧もまた微妙に残念なんですよねぇ。
電源電圧変動で中点が振られやすいし。
根本的に解決できる方法はないかなぁと考えてはいますが、
そんなクールな解決は全然思いつきません。

コンデンサの工夫で乗り切るしかないのでしょうね。
今度の週末あたりに試してみたいと思います。
出てくる音に、なんとなく抜け切らなさを感じていましたし。

No title

素手の人 さま

コメントありがとうございます。
見逃しがちな部分ですが、波形見て無負荷で20mV振られていたらさすがにマズいかなって思いました。

仮想GNDについては、以前96ポイントで60dBスケールのレベルメーターを作った時に苦労しました。
12V単一電源で96個のLEDがパカパカ点滅する状態であっても仮想GNDがmV揺れることすら許せないということで苦労したのですが、その時の回路図を見直すとツェナーで作った後にさらに抵抗分圧して、オペアンプバッファを入れていました。
http://fixerhpa.web.fc2.com/peakmater/index.htm

ここまでしなくても分圧を2段階、すなわちRCRCと重ねて組めばもう少しいけるでしょうか。
もしくは負荷に影響せず振られるわけですから、オペアンプ回路周辺の対仮想GNDの抵抗をなるべく小さくなるよう設計変更するとかでしょうか。

あとはそもそも、本来のGNDと仮想GNDを交互に使用しているのが問題だと思います。電解に少したりとも逆圧掛けたくないポリシーなのかもしれませんが、一貫して同じGND点を使用していれば問題は小さくなるはずです。仮想GNDより-5V作るほうが賢かったかもしれませんね。

ブログも見に行かせていただきます。お互い楽しみましょう。

No title

あれ、いま回路確認したのですが、+6Vって2系統あります!?

オペアンプ1つごとに別の+6Vを使っているような。
回路図と違うじゃない!!!!!

基準電位を複数つくることに何の意味があるんだ?

あと分圧抵抗も一応確認したけれど、01Cと書かれているのは10kΩのことらしいけど、103と何が違うんだろ。精度0.5%だと01Cなの?

No title

ありがとうございます。
せっかくの遊べる素材ですから、不平を言うより自分の
手を動かして楽しみたいですよね。

実は単電源でオペアンプを使う経験があまりなかったので、
LXU-OT2を見て「こんなもんだろう」と半分納得していた
ところなんですよ。突き詰めると奥が深いですねぇ。

そういえば思い出しました。
低域クロストークなんかあまり気にしてない電源こそ
ラックスマンの伝統だったような(問題発言?)。

最近、01Cとか略号で書くチップ抵抗をたまに見るように
なった気がします。特に謎の海外製品で。そんなところに
E96表示が必要な高精度抵抗使わないだろうし、不思議です。

No title

まさかの回路図にない仮想GNDがもう1系統出てきてびっくり!

ありえない…。


とりあえずこれはひとつにまとめて、さらに分圧抵抗は下げましょう。

あと、そもそも信号ラインから10kΩ以下の抵抗でポコポコ落としてる仮想GNDが10kΩ分圧で作られているっておかしいことに気づくべきだった。
これ470Ωまで落としても抵抗の消費は80mWくらいだから1/4W抵抗でも十分。でもバスパワーを160mW食うのは…とはいえ5Vで32mA程度か。とりあえず1kΩくらいにするか。それだと5V換算で14mAくらいか。

No title

HPA(U2)のR16,R25も回路図の3.9kΩではなく、実際は2.4kΩです。
先程、基板のチップを確認しました。

No title

実は、さっきそのへんのチップ全部剥がして張り替えてました…
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http://fixerhpa.web.fc2.com/
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