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ギボシ端子の圧着と抵抗

自動車の電装関係や無線機の接続でよく使われる「ギボシ端子」。

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ホームセンターでも簡単に端子と圧着工具が買えるため車いじりをする人には身近なものとなっています。しかし、どうもこれがうまく圧着できずに電線が抜けてしまったり、発熱して焦げたり燃えたりといった事故を起こすようで、ネットで検索するとたくさんの事例が出てきます。
圧着のやり方についてもブログ等で工具で何度も挟み直す方法、ハンダを流す方法、ハンダはダメだという意見など色々と語られていますが、どれが正しくて何が問題なのか、発熱するとしてどのくらいの抵抗成分があるのか、専門的な記事を見かけることはありません。それどころか端子のメーカーの取説も「確実にかしめてください」くらいしか書かれていません。

そもそもこの手のオープンバレルと呼ばれる端子を圧着が、ホームセンターで1000円程度で買える工具で正しく出来るのかというのも疑問なところ。出来合いの製品についているギボシ端子と比べてみれば一目瞭然なのですが、高価で正しい工具を使用して圧着された端子であれば引っ張っても抜けることなど無く、先に電線が千切れるのが普通です。

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圧着端子でも、オープンバレル型ではなく「絶縁被覆付圧着端子」や「裸圧着端子」と呼ばれるものは細かく規格で定められています。これ用なら6千円くらい出せば正しい圧着工具が手に入ります。なお、端子自体はホームセンターでもよくみかけるものです。
このあたりの話を知っている人にとっては「そもそもギボシ端子はまともに圧着できるわけがない」という認識だったりするようです。
私もその一人だったため、ギボシ端子はなるべく使わないようにし、簡易な圧着工具もすべて処分してしまいました。しかし、圧着に関する話題がしばしば上がってくるため、実際に売られているものでどの程度の性能になるのか試してみたくなり、わざわざ購入してテストしてみることにしました。


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実験の内容はtwitterでリアルタイムに書きましたので、そちらをご覧ください。

https://twitter.com/fixerhpa/status/1178213231103397889


「エーモンのギボシ端子と圧着工具で電線同士を接続した場合、どのくらいの抵抗分を生じるかを確認」する実験において、予想していた、発熱するほどの電気抵抗はなく、これなら十分な性能ではないかという結果となりました。
しかし、巷では焦げたりする事故は発生しているので、事故に繋がる接続はどのような状態の圧着だったのかは気になるところです。接続したばかりの初期状態では問題ないものの、振動や酸化などの経年変化、大電流でスパークが起きることにより徐々に抵抗分が増えていき事故に繋がる可能性もあるのではと考えています。


基板用6.3mmステレオジャックに関する覚書

自作ヘッドホンアンプをケースに収めるにあたって基板取付用のジャックを選定したのですが、予想外に苦労したので書き残しておきます。
メーカーは2種類ありますが、一番左のもの以外は基板への取付寸法に互換があるものです。
(一番左のは前から見たときに穴の位置が違うのと、一番右はジャックの穴の寸法と、基板に刺さる樹脂のピンがある点が異なります)

まずは各ジャックを写真でご覧ください。

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一番左から解説していきます。
■Amphenol ACJS-MHDRM

ACJS-MHDRM Amphenol Audio | Mouser

M Series (Single) – Entertainment@Amphenol

一番最初に買ってみたジャック。
GND極の接触抵抗が低くなることを期待して差込口のナットの部分が金属製のものを選定したものの、テスタで測ってみるとこの部分はGND(スリーブ)に繋がっていなかったことが判明したので却下。
プラグを挿した時だけシャーシGNDとシグナルGNDが接続される構造は複雑なトラブルの元にしかならないと思うのですが、何故にこのような構造になっているのでしょうか。



■Amphenol ACJS-MHOM

ACJS-MHOM Amphenol Audio | Mouser

最初に買ったのがダメだったので次に試したのがこれ。スリーブがナットの部分と導通していることが記されているので試してみたところ、GND極の接触がルーズすぎて全くもってダメな不良品。
ヘッドホンを繋いだら初っ端から接触不良でGNDが完全に浮いてしまい、LR差信号が聴こえてきてカラオケマシン状態

動画
fixerさんのツイート おいおいおい アンフェノールのジャック 勘弁してくれよ…



■NEUTRIK NRJ6HM-1

NRJ6HM-1 Neutrik | Mouser

NRJ6HM-1 - Neutrik

アンフェノールの製品はダメだということでメーカーを変えて今度はノイトリックを購入。
こちらはナットの部分とGND極はきちんと導通しているし、接触的にも大丈夫そうです。測定はしていませんが聴感上では問題もなくむしろ優秀な感じがしています。
ただ、このノイトリックのジャックはナットとワッシャーが付属していません。ナットはNRJ-NUT-MNとして販売されていますが、ワッシャーは販売されておらず困ったものです。



■NEUTRIK NRJ6HF

NRJ6HF Neutrik | Mouser

NRJ6HF - Neutrik

ワッシャーの入手ができないことと、あと今回のアンプでジャックの接触抵抗が高めでルーズくらいなサウンドでいいかなというのがあり、試しに買ってみたのがこれ。ナットの部分がプラスチックなのでGND(スリーブ)への接点は板バネのみとなります。
こちらもナットワッシャーは別売りです。
これはこれから試してみます。このモデルのみパネルの穴寸法が大きくなります。
なお、基板への取付寸法は他モデルと互換がありますが、このモデルのみ樹脂のピンが2本出ているのでピンを切り取るか、基板に穴を開けておく必要があります。

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アンプの出力インピーダンスと、イヤホンの周波数特性の関係

先日より連載している、BAマルチドライバーのイヤホンの周波数特性がヘッドホンアンプの出力インピーダンスによって変動するお話ですが、今日は各メーカーのミキサーのヘッドホン出力のインピーダンスを元に、どのくらいの周波数特性のズレが生じるのかを測定してみました。

各メーカーのミキサーの仕様書や回路図より調べた値はざっと以下の通りでした。

ベリンガー 22Ω
TAPCO 25Ω
Mackie 60Ω
YAMAHA 110Ω

これに加え、イヤホンを鳴らすことを前提とした設計であれば概ね5Ω以下になっていると考えられるため、4種類の出力インピーダンスで周波数特性がどう変わるのかを測定してみました。
本来であればイヤホンから出ている音声を測定するのが理想ですが、今回はイヤホンの端子に印加されている信号レベルを測定していますが、概ねこの周波数特性のズレが、出力される音の周波数特性と一致すると考えて良いでしょう。
なお、信号レベルは各出力インピーダンスで1kHzの時に50mVが印加されるように設定し、それを0dBrとしました。


FitEar MH334
Fitear_5_22_60_110_50mV.png



canal works CW-L71
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audio-technica ATH-IM02
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【参考】ダイナミック型 Apple EarPods
earpods_5_22_60_110_50mV.png



各メーカーのイヤホンが、何Ωの出力インピーダンスを持つヘッドホンアンプに接続することを基準として設計されているのか不明ですが理想は0Ωと考えてこれをフラットとすると、110Ωもの出力インピーダンスを持つようなYAMAHAのミキサーでは可聴域で10dBくらいの周波数特性の暴れが生じることがわかりました。

これが実際の使用時に問題とされていることは現状あまり無いようですが、ここまで特性が変わるとするならばヘッドホンアンプの導入等、検討してみる余地はありそうです。





※追記
イヤホンの音響出力を測るカプラーが無いので、差分を見る目的で無理やりマイクに繋いで測ってみました。
100Hzで6dB差とか、概ね電圧レベルの周波数特性の同じような差分が出てるといえるのではないでしょうか。
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IM02カプラ5Ω110Ω

イヤモニ用のマッチングトランスを作る 2

現在、多くの機材のヘッドホン端子はイヤホンの使用を想定しておらず、出力インピーダンスが数十Ω程度と高いものとなっています。このためマルチBAドライバのイヤホンを接続すると周波数バランスが崩れてしまったり、イヤホンの感度が高いせいで、サーという残留ノイズが目立ってしまうことがあります。
そこで、ミキサー等のヘッドホン端子にイヤホンを接続する場合、間に挟むことで周波数バランスとノイズの問題を解決するマッチングトランスを作ってみることにします。

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また、ヘッドホン端子に接続することのみならず、ミキサーのバランスライン出力からの信号を使って、電源不要でイヤホンを鳴らすことが出来るようにもしてみます。


必要となるトランスについては、仕様を検討した上で染谷電子さんに製作をお願いすることにしました。今回のようなトランスは完全なインピーダンスマッチングを取って信号伝送を行うわけではないため、仕様の決定は難しいところがあります。基本的にはトランスの特性を加味しながら、公称値となるものを探っていく形をとることになります。
大雑把には、使用するヘッドホンアンプの出力インピーダンスや最大レベルといった値、イヤホンのインピーダンスや必要とする音量(電圧レベル)をもとに巻線比を決定。巻線の量は公称のインピーダンス比によってかわるので、十分な周波数特性を得られるように、余裕を持って高いインピーダンスで受けるような形にするのが良いようです。
検討した結果、ヘッドホン出力は公称150Ωで受けることにしました。さらに同じ巻線をもう1組用意して直列にすることで600Ω受けとし、バランスライン出力を受けられるようにしています。出力は4Ωと16Ωの2つを用意して、イヤホンや聴感によって使い分けられるようにしました。
コアについてはヘッドホン用途としては経験上、方向性珪素鋼板の場合は41mm幅、PBパーマロイの場合は28mm幅のコアがあれば大丈夫そうだといえますが、基本的には大きければ大きいほど低域の特性が良くなる傾向にあります。


という感じで、メールで打ち合わせをした結果、コア材違いで2種類のトランスを製作してもらうことになりました。
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出来上がったトランスは、このようにケースに組み込みました。
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2つのトランスを測定して比べてみたところ、正直ほとんど性能が変わらないようにみられました。これはコア材の性能差を、コアのサイズで吸収した形になったのかもしれません。聴感上でいうと、パーマロイのほうが低域がはっきりしている感じがするのですが、珪素鋼板のほうが耳への馴染みが良く、今回のようなイヤーモニターの用途には向いている気がしました。
ちなみにコア材が異なると巻数の適正値も変わってくるらしく、厳密なコア材だけの違いを比較することは難しくなります。


さて、トランスを挟んだ場合で特性がどう変わるか確認してみましょう。
以前の記事で行った実験と同じように、イヤホンを鳴らしている状態で、イヤホンに印加されている信号レベルを測定したもので比較してみます。


まずこれが、ミキサーのヘッドホン端子に直接接続した場合
Mackie卓直



こちらが、出力インピーダンスがほぼ0Ωのヘッドホンアンプを使用した場合
アンバラ王経由



で、これがミキサーのヘッドホン端子とイヤホンの間に製作したマッチングトランスを接続した場合
トランス付き


いかがでしょうか。暴れていた周波数特性が、だいぶフラットに落ち着かせることが出来ました。
実際に音楽を大音量で鳴らしてみても、中域が耳を刺激することなく、快適にモニターすることが出来るようになりました。
また、ミキサーに直接接続した際は、フェーダーを下げた時でも残留ノイズが聴こえて気になっていたのですが、これもかなり改善されました。

こんな感じで、良い具合に製作できましたが、もしこういったアイテムを必要としていましたら、メーカー資料等さらに詳しいものもありますので、ご連絡ください。いまのところ商品化するかはわかりませんが、業務用途でお困りの状況等あれば評価機も用意しようと思っています。



実験時のツイッターのようす
https://twitter.com/fixerhpa/status/1098185991330750464





※追記
いつも通り、トランスのデータシートを公表することにしました。
もし製作される方があれば、この型番で発注が可能です。(2個だと試作扱いで単価が高いけれど)


型番:A41-166
珪素鋼板コア (大きい方)
たぶん、こっちのほうが聴きやすい音
A28-295ds.png

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型番:A28-295
パーマロイコア(小さい方)
コア材としては優秀で高級
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ノートPCのヘッドホン出力の性能の件

NECのノートパソコン LAVIE Note Mobileのヘッドホン出力の音質が悪く、特性も酷いといった記事がありましたが、なんだか測定のミスがあるように見えました。ちょうど私も同じシリーズのを使っているので検証してみました。

【藤本健のDigital Audio Laboratory】
「パソコンの音が悪い」は当たり前 オーディオ出力性能を数値で比較-AV Watch
https://av.watch.impress.co.jp/docs/series/dal/1167962.html



hujimoto.png

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この周波数特性は、RMAAというフリーソフトのツールで測定されたものですが、本来一直線になるはずのグラフがこれだけ乱れるというのは性能の善し悪しではなく異常が起きているということは、測定ができるスキルのある人ならわかることです。

原因としては、自動測定がうまく同期していない、PCにイコライザー等のエフェクトの設定が入ったまま測定をしている、PCが故障している等が考えられ、自動測定してこんなグラフが出たら原因を突き止める必要があります。

しかし、記事としては「音質的には、ちょっとなぁ……と思っていたのが、これで実証された感じ」
「PC自体の音質が悪いということを表す典型例となった。」と締めくくられています。

詳しくない方々は当然、NECのノートPCは音が悪いんだと捉えていて、twitterを見ていてもそのような感想をいくつもみかけました。


測定結果に明らかな異常がみられるため、心配になり著者の藤本健氏にtwitterでリプを送ったのですが、私のリプに対しては返信がなく、対応する様子もなかったため、NECの製品への風評被害を防ぐ目的として検証を行うこととしました。
また、AV Watchのtwitterアカウントからも返信や対応の素振りはなく、「人気記事」として何度もこの記事がツイートされ続けています。


検証した内容の詳細はこちらをご覧いただくとして
https://twitter.com/fixerhpa/status/1092350265905229824


結果としては、グラフが異常な特性になるのはノートPCにデフォルトで入っているYAMAHAのサウンドエンジンの切り忘れによるものとみられます。
このPCは、ヘッドホンで自然な音が再生できるというヤマハの音質技術がデフォルトでONになっており、その状態で周波数特性を測ったところ、記事と同様のぐちゃぐちゃな測定グラフが現れました。
おそらくですがこれは、頭部伝達関数を考慮したイコライザーや遅延処理等が入っているためだとみられます。ハードウェアの特性を測定する際にこれらの設定を切るものであり、その前にスキルのある人なら音を聴けば一発でエフェクトが入っていることに気づくものです。

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設定を切るときれいな周波数特性となりました。
DyjzB7wVsAAx50u[1]

著者の藤本氏が「音質的には、ちょっとなぁ……」と感じた原因が、ヤマハの音質技術のせいだった考えるとなんだか面白いですねw


スキル不足の著者、そして編集部が対応しないことにより、誤った製品イメージが広まっていることが残念でなりません。
この記事以外でも、このサイト、この著者の関わっているものは気をつけたほうが良いのではと感じました。



LAVIE Note Mobileはいいぞ!!!
DyjVO0PVAAAPXCU[1]


※追記
そもそも測定器じゃなくてローランドのインターフェイスと繋いで測ってる測定値なんて、ノートPCの出力を測ってるのかローランドのインターフェイスを測ってるのかわかりゃしないって。
(ちなみにうちの検証で使ったのはFirefaceUCですが、左右の特性の違いや高域低域の落ち具合はどちらの影響を受けているかわかりません。グチャグチャではない確認のためには十分としました。)
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