
ヘッドホンアンプ用ダミーロード
ヘッドホンアンプの測定に使用するダミーロードを自作してみました。

ヘッドホン端子に何も接続しない無負荷の状態と、実際にヘッドホンを接続して駆動している状態ではヘッドホンアンプに対する負担が違うため、周波数特性や歪率、クロストーク等の性能が変わってきます。
そのため、ヘッドホンアンプを評価する際にはヘッドホンのインピーダンスに近い抵抗値を接続して測定する必要があります。
スピーカー用のパワーアンプの場合はダミーロードを用いることが周知されており、オーディオメーカー向けで製品化されていたりもしますが、ヘッドホンアンプ用としての製品や制作例は見たことがありません。
ヘッドホンアンプの場合はプラグの種類が多かったり、負荷インピーダンスも様々のため、いつも測定をする時は都度、対象機器に合わせてダミーロードを仮組みして使用していました。
しかし毎回作るのも手間なのと、より高度な測定をするためにはノイズ対策や結線の最短化が必要となるため、測定用の機器として仕上げてみることとしました。
正直、周波数特性くらいであれば、抵抗さえ繋がっていれば問題がない場合が殆どですが、歪率で例えば0.001%、クロストークで-60dB以下を測りたいような場合は結線やダミーロードをきちんとする必要があると感じます。何をどこまできちんと整える必要があるかわからない部分も多いので、手探りしながら試していこうと思います。


負荷抵抗値は10Ω、32Ω、200Ω、600Ωの切替式。この値は、イヤホンで特にインピーダンスの低いものを想定した10Ωおよび、ヘッドホンのインピーダンスの規格を参考にして設定しました。
使用する抵抗器はTEのLR1シリーズ、金属皮膜抵抗 1% 0.6Wを直並列組合せで使用し、概ね1W程度までを目安としています。
スイッチはON-OFF-ONのトグルスイッチ、E-Switch 100SP3T2B4M7QEを採用しました。
入力端子については、XLR5pinタイプ(NEUTRIK NC5FAH-D)とし、ピンアサインはステレオのバランス伝送と同じにしました。
こうすることでアンバランス、バランスアンプ両方に使用できます。アンバランス時においても負荷の信号ラインを左右でわけることで本機による電圧降下やクロストークの悪化を防いでいます。
出力側はXLR 3pin(NEUTRIK NC3MAH-0)で、これをオーディオアナライザに接続します。また、オーディオインターフェイスに接続してRMAAで特性を取るのも良さそうです。(どこかの記事でヘッドホン端子の測定を無負荷でやってツッコミ入れられてたことがありましたね…)
ケースはタカチのEX8-4-9SSで、これに合わせてプリント基板を設計しています。

ケーブルはCANARE L-2B2ATを最短で使用しました。アンバランス用はヘッドホンプラグの部分でCOLDとGNDを接続しています。XLR側はハウジング部の金属は電気的に浮くのを懸念し、念のためGNDと接続することとしました。
なお、3.5mmプラグ用と6.3mmプラグ用を両方製作したのは、変換プラグを使用すると、接触抵抗が測定に影響する可能性があるためです。
これで十分といえるかどうかはわかりませんが、今後これを使用して測定してみようと思います。
ちなみに測定時にはオーディオアナライザとの接続についても注意をする必要があるようです。例えば写真のように接続した場合、ケーブルの這わせ方によってGNDループノイズが発生することがわかりました。正しく測定するにはケーブルを最短にし、ループしないように這わせる必要がありそうです。
■特に意識せず引き回した場合


■ノイズが減るように引き回した場合


なお、これはオーディオアナライザの仕様にもよるようで、例えばAudio Precision社のアナライザはジェネレーターにライントランスが入っているためか、このようなことが気になったことはありませんでした。
ひきつづき何かあれば追記することとします。
製作した基板については用途的に数が見込めないため委託販売までは考えていませんが、個別対応をするかもしれないので興味のある方はご連絡ください。

ヘッドホン端子に何も接続しない無負荷の状態と、実際にヘッドホンを接続して駆動している状態ではヘッドホンアンプに対する負担が違うため、周波数特性や歪率、クロストーク等の性能が変わってきます。
そのため、ヘッドホンアンプを評価する際にはヘッドホンのインピーダンスに近い抵抗値を接続して測定する必要があります。
スピーカー用のパワーアンプの場合はダミーロードを用いることが周知されており、オーディオメーカー向けで製品化されていたりもしますが、ヘッドホンアンプ用としての製品や制作例は見たことがありません。
ヘッドホンアンプの場合はプラグの種類が多かったり、負荷インピーダンスも様々のため、いつも測定をする時は都度、対象機器に合わせてダミーロードを仮組みして使用していました。
しかし毎回作るのも手間なのと、より高度な測定をするためにはノイズ対策や結線の最短化が必要となるため、測定用の機器として仕上げてみることとしました。
正直、周波数特性くらいであれば、抵抗さえ繋がっていれば問題がない場合が殆どですが、歪率で例えば0.001%、クロストークで-60dB以下を測りたいような場合は結線やダミーロードをきちんとする必要があると感じます。何をどこまできちんと整える必要があるかわからない部分も多いので、手探りしながら試していこうと思います。


負荷抵抗値は10Ω、32Ω、200Ω、600Ωの切替式。この値は、イヤホンで特にインピーダンスの低いものを想定した10Ωおよび、ヘッドホンのインピーダンスの規格を参考にして設定しました。
使用する抵抗器はTEのLR1シリーズ、金属皮膜抵抗 1% 0.6Wを直並列組合せで使用し、概ね1W程度までを目安としています。
スイッチはON-OFF-ONのトグルスイッチ、E-Switch 100SP3T2B4M7QEを採用しました。
入力端子については、XLR5pinタイプ(NEUTRIK NC5FAH-D)とし、ピンアサインはステレオのバランス伝送と同じにしました。
こうすることでアンバランス、バランスアンプ両方に使用できます。アンバランス時においても負荷の信号ラインを左右でわけることで本機による電圧降下やクロストークの悪化を防いでいます。
出力側はXLR 3pin(NEUTRIK NC3MAH-0)で、これをオーディオアナライザに接続します。また、オーディオインターフェイスに接続してRMAAで特性を取るのも良さそうです。(どこかの記事でヘッドホン端子の測定を無負荷でやってツッコミ入れられてたことがありましたね…)
ケースはタカチのEX8-4-9SSで、これに合わせてプリント基板を設計しています。

ケーブルはCANARE L-2B2ATを最短で使用しました。アンバランス用はヘッドホンプラグの部分でCOLDとGNDを接続しています。XLR側はハウジング部の金属は電気的に浮くのを懸念し、念のためGNDと接続することとしました。
なお、3.5mmプラグ用と6.3mmプラグ用を両方製作したのは、変換プラグを使用すると、接触抵抗が測定に影響する可能性があるためです。
これで十分といえるかどうかはわかりませんが、今後これを使用して測定してみようと思います。
ちなみに測定時にはオーディオアナライザとの接続についても注意をする必要があるようです。例えば写真のように接続した場合、ケーブルの這わせ方によってGNDループノイズが発生することがわかりました。正しく測定するにはケーブルを最短にし、ループしないように這わせる必要がありそうです。
■特に意識せず引き回した場合


■ノイズが減るように引き回した場合


なお、これはオーディオアナライザの仕様にもよるようで、例えばAudio Precision社のアナライザはジェネレーターにライントランスが入っているためか、このようなことが気になったことはありませんでした。
ひきつづき何かあれば追記することとします。
製作した基板については用途的に数が見込めないため委託販売までは考えていませんが、個別対応をするかもしれないので興味のある方はご連絡ください。
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