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イヤモニ用のマッチングトランスを作る 1

ステージモニター等の用途でBAマルチドライバーのイヤホンをキューボックスや小型ミキサーに接続して使った場合、周波数バランスがおかしくなるという問題があります。
イヤモニに使用を前提としていない機材のヘッドホン端子は出力インピーダンスが数十Ωくらいあり、これによりイヤホン内のネットワーク回路が正しく動作しないことが原因です。
ボディパックのイヤモニ受信機や、スマホ等はイヤホンの使用を想定しているため正しい音で再生することができても、そうではない機材の場合は中域が強調されてやかましくなったり、低域が過剰になったりします。

前回の記事ではイヤホンのインピーダンス測定の記事で、BAマルチドライバーのイヤホンでは周波数に対してインピーダンスが一定でないことを確認しました。

それでは実際に、マルチBAドライバのイヤホンを出力インピーダンスが高いヘッドホン端子に繋いだ場合、イヤホンに印加されている信号の周波数特性がどうなっているかを測定してみることにします。


まずは、出力インピーダンスが低く、限りなく0Ωに近いヘッドホンアンプに接続した場合の特性です。ヘッドホンアンプにイヤホンを接続した状態で周波数特性を測定するスイープ信号を流し、イヤホン端子の部分の信号を観測したものです。
アンバラ王経由

アンプの出力インピーダンスが完全な0Ωではないことや、プラグやジャックの抵抗分があるため完全な一直線にはなりませんが、概ね真っ直ぐでフラットな信号がイヤホンに供給できていることがわかります。


続いて、Mackieのコンパクトミキサー 1402-VLZ PROのヘッドホン出力を使った場合の特性です。
Mackie卓直

ご覧のように周波数特性カーブが暴れており、周波数によって印加されている電圧レベルが数dBも開いていることがわかります。
FitEar MH334では低域がなくなって中域が目立つようになり、canal works CW-L71では低域が盛り上がって聴こえる現象を確認することができました。


さて、上記のような現象を回避するためには、イヤホンへの信号源インピーダンスを低くする必要があります。方法としてはミキサーにヘッドホンアンプを外付けする方法がありますが、なかなかイヤホン用としてインピーダンスが低く手頃で確実なヘッドホンアンプが見当たらないことと、電源が必要となると煩雑となるので、別の方法を検討してみました。

1.アッテネーターを使う方法。
ミキサーのヘッドホン出力は60Ωほどの出力インピーダンスがあるので、ここにアッテネーターを挿入してイヤホン側からみたインピーダンスを低くする方法があります。
簡単には、イヤホンのLとRのそれぞれをGNDに対して抵抗で落としてやることで実現できます。
アンプから出力される電力の大半を抵抗器で無駄に消費させて音量を下げるとともに見かけ上の出力インピーダンスを小さくするものです。

Dz-kEKrU8AAaKdE.jpg

ただ、この方法はお手軽な反面、技術的な制約があり、インピーダンスを低くするために必要十分な抵抗(1Ωとか)を入れた場合、アッテネータが効きすぎて音量が小さくなってしまうこと、過負荷によってヘッドホンアンプに負担が掛かり、音が歪んだり故障を招く可能性がある等の問題があり、使用するヘッドホン端子やイヤホンの仕様を踏まえて十分に検討する必要があります。


2.トランスを使ってインピーダンスを下げる方法
いわゆるマッチングトランスを用いて、ヘッドホン出力のインピーダンスを下げるとともに、信号レベルも下げる方法があります。こちらの方法であればアンプへの負担が増えることなく、インピーダンスを下げることができます。少し大掛かりではありますが、この方法なら外付けアンプと違って電源不要で簡単で確実な方法が得られそうです。

続く

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