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下記はクリックしないでください

ぺるけ氏の新作、エミッタ共通回路2段ヘッドホン・アンプを作ってみることにしました。
アナログ回路向けのトランジスタがどれも廃番になりつつある中、入手が容易なパーツを採用した設計とのことです。
元記事
Headphone Amp Project <入手可能部品で作る> ヘッドホン・アンプ
http://web.archive.org/web/20191202130256/http://www.op316.com/tubes/hpa/2019-hpa.htm
記事をもとに製作しつつ、随時ここに記録していきます。
自分用に作った部品リストを公開しておきます。
(書籍化後の更新版)
https://fixerhpa.web.fc2.com/V5_partslist_20210228.pdf
(旧版)
https://fixerhpa.web.fc2.com/V5_partslist_20190816.pdf

※間違いや足りないものがある可能性があります。各自確認して利用してください。なにかあればコメントへ書き込んでください。
※2019.8.4 6.8kΩ抵抗の欄の部品番号を修正しました。
※2019.8.16 LEDの商品情報を追加しました。基板を譲った方々から良い品番を教えてもらいました。ありがとうございました。
回路図に部品番号を割り振ったもの
※注
回路図は当初、権利上の問題が生じないよう配慮した上で原作の回路図より引用し部品番号を振ったものを掲載しておりました。
しかしながら、本件に関しては第三者である「K氏」よりブログのコメントに「ぺるけ氏の遺作HPAとな?回路図画像のパクリと無断転載」とご意見を頂戴しました。ちなみに「K氏」のIPアドレスで検索したところ、別ハンドル名にてぺるけ氏の掲示板で回路の話をして交流している人物と同一のIPアドレスであることが確認されています。
また、2020年11月にぺるけ氏の掲示板において「猿でも出来る」と名乗る人物により「誰かがデータパクって自分のブログで無断公開してるやつですかね? これ 草」などと、当ブログのURLを添えた書き込みがありました。これは到底許すことのできない名誉毀損行為と捉えております。
つきましては、こういった悪質なクレーマー対策としまして、不本意ながら回路図を清書し、置き換えることとしました。
見やすくなった回路図を、どうぞ存分にお楽しみください!
なお、清書後の回路図を用いての製作は行っていないため、記載に間違いがある可能性があります。ご利用の方にはご迷惑をおかけします。
万一、間違いがありましたらお知らせください。(2020.11.16)

画像クリックで拡大します
とりあえず自分用にプリント基板の設計をして中国の工場に製造依頼しているので、届きしだい製作してみます。

ちなみに今回はユニバーサル基板用の配線図は公開されていないので、Version 4のを元にして電源の±を逆にして電源回路は新たに書き起せばよさそうです。(だれかやってあげて)
必要なパーツを秋月電子、千石電商、マルツ電波、門田無線に発注しました。
東信工業の電解コンデンサを千石電商から通販で購入すると10個単位になるので、余って困る場合は別のところから調達するのが良さそうです。
![EAsy1wSUIAABMLU[1]](https://blog-imgs-130.fc2.com/f/i/x/fixerhpa/20190801174606231.png)
トランジスタについては「厳密な選別の必要はありません」とのことです。とりあえずhFEを手持ちのテスターで測ってみました。
2SC1815GR (UNISONIC製)
![EA3ScYGUYAAe1L4[1]](https://blog-imgs-130.fc2.com/f/i/x/fixerhpa/20190801174603371.png)
2SA1015GR (UNISONIC製)
![EA3ZnIUUEAEqvMC[1]](https://blog-imgs-130.fc2.com/f/i/x/fixerhpa/20190801174604acb.png)
TTC015BおよびTTA008B
![EA3qzdrVUAAGLiT[1]](https://blog-imgs-130.fc2.com/f/i/x/fixerhpa/20190801174829504.png)
hFEについては思ってたよりはバラツキが少なく優秀なようです。(東芝のオリジナルの2SC1815はもっとバラついていたというような話も…)
「厳密な選別の必要はありません」について基準が曖昧なので困っていたところ、掲示板で解説していただきました。
https://8604.teacup.com/very_first_tube_amp/bbs/26977
さしあたり「トランジスタは選別しなくて良い、半固定を回しきってもDCオフセットが調整しきれなかったら2SA1015を交換してみる」くらいで問題なさそうです。
※現在は元記事で選別について補足が追記されています。
ランプとしてではなく基準電圧として使用されている3つのLEDについては「3mm径の赤かオレンジの通常品」であれば良いとのことで秋月電子で簡単に買えるものをピックアップしました。しかし実際の回路で測定すると1.75Vと記されているところ、1.85Vくらいになってしまいます。1.75Vになるものも探せば無くはありませんが、入手が容易ではなくなります。
実際、1.85Vだと設計値から外れるのかは回答がもらえていませんが、歪率の測定による比較にて特に違いはありませんでした。

(最初の状態より、手持ちのVfの低いLEDに交換した時の音のほうが魅力的な印象があったのですが、気のせいかなと思いつつもメモとして残しておきます。各自試すといいと思います。)
※LEDはSLP-9118C-51Hが良さそうだと情報をいただきました。パーツリストに追加しました。こちらを5mAで測れば実回路と同じくらいの値を示すようです。バラツキもあるようなので組んだ後に1.75Vから大きくはずれる場合は交換するといいでしょう。
ケースの加工
CADで適当にパーツ配置して印刷した紙を貼り付けて位置決めして穴あけました
https://fixerhpa.web.fc2.com/V5_case_20190803.pdf
※プリンタの誤差があるので印刷後に寸法が正しいか確認し、ズレていたら適宜、拡大縮小して調整してください。
![EA3-DHLU0AAeOfC[2]](https://blog-imgs-130.fc2.com/f/i/x/fixerhpa/2019080118345333b.png)
![EA39da1UwAEAsni[1]](https://blog-imgs-130.fc2.com/f/i/x/fixerhpa/20190801183455030.png)
ケースのネジ止めの部分はアルマイトを削っておかないと導通しないので注意
ボリュームの軸を切る作業
入手が容易なアルプスRK27ボリュームは軸が無駄に長いので、13mm程を切り詰めます。
切削屑がボリューム内部に入らないように保護し、本体ではなく軸側を万力で挟んで鉄ノコで切断します。

注)ツッコミが入ったので追記します。軸を切る時、軸とネジの堺のところも養生しないと隙間から切削屑が入ると怒られました。実際、あの部分にグリスが塗布されていて、そこに切削屑が付着して面倒でした。写真撮らなければ袋も被せないで切るつもりだったので、一応気にしたということで許してください
切断面はヤスリで整えておいてください。

ジャック等のパーツをケースに取り付けていきます。

ケース内の配線をしていきます。

過去の作例を参考にし、ケーブル色は
電源+ :赤
電源- :白
LED+ :赤
LED- :黒
信号L :茶
信号R :紫
信号GND:黒
としました。
信号ラインは左右間やボリューム入出力間で干渉するので本当はシールド線のほうが良いと思います。
ボリュームのGNDまわりの配線はボリューム動作の異常につながるので引き回し方を気をつけてください。
引き回しが悪いと絞りきり近くでギャングエラーが強調されたり、左右逆相の信号が出たりします。
パーツとケースの下準備が済んだところで、中国の業者に頼んでいた基板が届きました。

(実は重大な配線ミスがあったので作り直して2回目)
背の低い部品からどんどん実装していきます。

抵抗だけで45本も

こんな感じで基板ができあがり

ケースに組み込んで配線。いよいよラストスパート

おそるおそる電源を入れてみると、DCオフセットは半固定抵抗が中間の状態でほぼありませんでした。トランジスタの選別をしたおかげで揃っていますが、半固定を回して調整できる範囲なら問題なしといって良いようです。

注) 組立前に知人から指摘があったのですが、終段および電源部のトランジスタがけっこう発熱するので、電解コンデンサから離さないと寿命を縮めそうです。過去の設計のアンプではユニバーサル基板でトランジスタが電解の直近に置かれているのでてっきり近くて問題ないものと思ってましたが、基板の設計も少し変更して当初より距離を取りました。これでもまだ発熱が気になり、もっと距離を離すべきか、放熱板をつけたほうが良いかと検討しています。
これからユニバーサル基板等で製作される方はこの点を留意されると良いかと思います。ご参考までに。
【完成】

これで一旦完成ということで、ひきつづき記事をわけて測定等を行っていこうと思います。
追記
当初公開されていなかった、原作にてタカス基板を用いた制作例の写真が後から掲載されました。
基板のアートワーク(配線引き回し)にも宗派があるそうなのでこれも作ってみました。比較して差が出るかな?

2021.2追記
当時webにて公開されていた製作記事が書籍化され「続 理解しながら作るヘッドホン・アンプ (CQ文庫)」として発売されています。
概ね当時の記事と同じ内容ですが、一部定数が変更されていたり、誌面上でも回路図と配線図で値が異なっている箇所がいくつかあるようで、掲示板にて正誤表が書き込まれたりしています。
出版社での確認および正誤表が出ましたら当ブログのパーツリストにも変更を加える予定ですが、それまでの間はご注意ください。
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