前回の記事の定数を見なおした完成型です。
こちらのほうがズッシリと腰の据わって音が前に来るような音質で低域もしっかり出るので、これを完成形にしたいと思います。特性も確かに大切なのですが、そればかりに目を向けていると音がつまらなくなる場合があることを痛感しました。やはり心地よく聴こえないとダメですよね。
ということで今度の回路は


変更点はまず一次側の抵抗を10Ωに交換。フィルタのコンデンサは抵抗が小さくなって組めなくなることと、変更後の回路では無くても十分にノイズの減衰が得られたので思い切って撤去。負荷が重くなったことによりカップリングコンデンサの値が不足となり低域の特性が伸びなくなるので470μFに交換。
二次側の負荷抵抗は1.5kΩに変更。これは実測により高域のピークが治まるちょうど良い値にしています。負荷は少なくとも10kΩ、通常47kΩでしょうから負荷変動による影響は無視できるでしょう。
ちなみに10Ωの抵抗ですが、取り去っても良いと思います。当初は無しで組んでいたのですが試聴した結果、なんかトランスらしさが足りない"気がした"ので急遽入れることにしました。
そんなわけで特性です。
■出力レベル 2.02Vrms @0dBFS
これは民生ラインレベルの2Vrms目標としていたのでバッチリです。
■周波数特性 @0dBFs

前回の回路にあった高域のわずかなもち上がりが解消されました。
これは前回より改善されています。
■THD+N 全高調波歪率 @-7dBFs

これは低インピーダンス駆動になったおかげで100Hzにおいては0.029%と良くなっていますが、1KHzにおいての値が0.012%と、僅かながら上昇してしまいました。まあ、全く問題ないんですけどね。

100Hzでのレベルごとの値は測定したうちの最大、最小レベルでは大差ないものの、中間域ではこちらのほうが優れています。例えば-20dBFsにおいては前回が0.162%であったのに対し、0.066%に改善されています。
次に帯域外ノイズです。
1kHz -7dBFs信号での帯域制限ごとのTHD+Nは
~22kHz 0.0124%
~30kHz 0.0147%
~80kHz 0.0338%
>300kHz 0.0367%
といった具合でしっかり帯域制限した場合は若干歪率が上昇していますが(おそらくPCM2704の負荷が重くなったことが原因)、帯域制限を緩くしていくと前回より数値が良くなっています。これは帯域外ノイズがより鋭くカットできるようになったといえるでしょう。

波形でもトランスによるノイズ除去効果が前回同等に確認できています。(1kHz -40dBFs)
そんなわけで、歪率で0がひとつ減ってしまった事だけが心残りですが、サウンド的には音楽を楽しめる完成形になったと思います。近年のハイサンプリングで低歪を追求したサラッとした綺麗な音も良いですが、Fs48kHz留まりのローレゾDAC+トランスで聴くガッツリサウンドも良いんじゃないんでしょうか??
完成後、改めてノーマルの状態と聴き比べてみましたが、ノーマルだとレベルがだいぶ低いのはもちろん、定位がベッタリとしていて明らかに違う音をしていました。トランスを組むにあたって常に別のDACと比較したりもしていましたが、AKI.DAC-U2704のノーマルの状態だけは明らかに音質が違う感じでした。高周波ノイズの影響もあるんでしょうかね。あらためて改造した効果があったと実感しました。
以上、私からのUSBDAC+トランス仕様はこれでエントリーしたいと思います。いずれ比較試聴とか出来ると良いんですけどね。
あ、まだケース入れてないや。
ちなみにこのトランスですが、iPodなどのヘッドホン端子からライン入力に接続した際にレベルが足りない時にも使用できます。なにしろPCM2704自体も微妙にレベルの足りないヘッドホン出力ですのでやることは一緒です。この場合は470μFのカップリングコンデンサ、これは必要ないので省略し10Ω抵抗のところにヘッドホン出力の信号を接続すると良いでしょう。
※基板接続ポイント

C3(Lch)、C4(Rch)より音声信号を分岐してください。PCM2704の出力をそのまま取り出します。
コンデンサの足はR6,R7に繋がっていないほうです。
GNDはRCA端子の部分が取り出しやすいでしょう。ベタGNDなのでL,Rchを区別する必要はありません。
最終的にはトランスの一次側のGND線(黒)を基板に直接配線するようにしました。この線は若干電流が流れるため、左右chの干渉を防ぐことを願って変更しました。どちらでも大差はなく、また好みによって変更して構いません。その他のGND部分は殆ど電流が流れないのでまとめて1本で配線して良いと思います。よって写真では計3本のGND線が配線されています。
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あ、やっぱ10Ω無いほうが良いかも…w
Fixerhpaさん
はじめまして.昨日,たまたま,ぺるけさんの記事を読んだあと,検索したところ貴ブログにたどり着きました.
ライントランスは興味ありますねー.
ついては,私も染谷電子に同じ仕様のライントランスを発注してみようかと考えています.差し支えなければ,仕様を紐づける型番をお教えいただけないでしょうか?
analogdeviceさま
はじめまして。
私の製作例に興味をもってくださり有難うございます。
トランスはいろいろな要素で動作や音が変わってくるのでいろいろと研究しながら楽しんでいます。
染谷さんのトランスですが、記事中にあるA28-224というのが型番です。28がコアの寸法で224が通し番号みたいです。
私の製作した記事のものは問い合わせがあった場合に製品やデータを公表して構わないと伝えてありますので、この型番で通じます。
なお、前の記事でA28-184というのがもっと昇圧比を高くした仕様です。
一連の記事はこちらからどうぞ
http://fixerhpa.blog.fc2.com/blog-category-1.html
analogdeviceさまのブログもまた後ほどじっくり読ませていただきます。
またいらしてください。よろしくお願いいたします。
Fixerhpaさん
先ほど,染谷電子へ見積メールを送信しました.
ご快諾,感謝申し上げます.ありがとうございました!
連絡ありがとうございます。
もし実際に製作されるようでしたらまた状況など聞かせてください。
Fixerhpa様
はじめまして。
私も貴ブログを参考に,ライントランスA28-224を(株)染谷電子へ発注しようと考えています。
無事入手できたら,使用感など知らせ申し上げたいと存じます。
トランスの見積依頼しようかな。
ぺるけさんの記事を参考にタムラで作りました。
おひさしぶりです。
THs-2の音はいかがでしたか?
こちらの仕様だとインピーダンスを低い方寄りでやっていますし、また若干変わったサウンドが得られるかと思います。
よかったら試してみてください。
近年のハイサンプリング対応DACとの回路共用なんかによるぱっと聴き高域が伸びた感のあるサウンドも決して悪くはないですが、本来の帯域にきっちり絞ったパンチのある音のするDACもいいものです。
ぺるけさんのところの、試作トランス L452も気に掛かる。
だいぶ大きくて、オリエントコアで、タップがいっぱい出ている汎用品と考えると正直どうかと思うんですけどね。
ライン系のトランスだと価格の差もあって何度か比較やっていますが、音質的にやはりパーマロイじゃないとという意見が私の周りでは多いです。
ともあれ出来上がって評価が出てこないとわかりませんが、記事が一ヶ月以上止まってますね…。
完成時の秋月USBDACキットの部品変更はありますか?
他の部品定数もお知らせください。
定数はとくに変えてません(コンデンサとかはお好みでどうぞ)
元々のRCAのところのカップリングコンデンサは小さすぎるので、
その手前、PCM2704の出力から直接引き出しています。
こんにちは。
DAC ケーシングはまだ行ないませんか?
痛いとこ突きますねえ
ケース色々探したんですが、どうもしっくりくるのが無くて止まってました。
私の用途的にはなるべく小さく軽くプラケースでもいいから収めたいなと思ってるんですが。
了解で御座います。
タカチ EPR-200S プラスチック 電磁シールド付です。
たまたま手元にあった在庫です、ちょっと大きいです。
エヌエフ回路 FRA5095 こんなん出ていますけど私の予算の倍額でした。
いかがです? うまく組めました?
私は基板にしろケースにしろギッチリ詰めるのが好きなので毎回悩みますよ。
エヌエフ見ましたけどいい値段しますね。
染谷さんところもエヌエフのそのあたりの測定器もっていて、たまにそれで取ったデータもらいますよ。
実は保留状態です。
ルンダールのトランスも視野に入ってきて・・・
未完成です。
PC用にジェネレックのSPも欲しいです。
はじめまして。
タムラのトランスが入手できないところ、ネット検索をしここに辿り着きました。
トランスは見積予定ですが、他のコンデンサとか抵抗の数値を教えて頂けますか?
基板のC5,C6のところに接続すればいいですか?
始めてUSBDACを作りますのでご指導ください。
こんにちは。コメントありがとうございます。
基板の接続ポイントの写真をこの記事に追記しましたのでご覧ください。
基板上のパーツは特に変更する必要はなく、追加するパーツの定数は写真左側の抵抗が10Ω、写真右の抵抗が1.5KΩ、電解コンデンサは470μF 25Vですが、コンデンサの耐圧はもっと小さいものでも十分です。
配線図は写真でわかりますでしょうか?
また不明点ありましたら書き込んでください。
製作がんばってください。
fixerさん、有難うございます。
・基板のC5,C6とかR8,R9などは取り付けたままで良いのですか?
・基板のC5,C6の+側からトランスへ接続しても構わないですね?
C3,C4から取り出した方が良いのですか?
・470μの+側が基板へ繋がるのですね?
・470μは安いものでも構いませんか?
・染谷のものとタムラのものと、音質は違うのでしょうか?
よろしくお願いします。
こんばんは
疑問点についてお答えします。
・基板のC5,C6とかR8,R9などは取り付けたままで良いのですか?
キット標準のパーツはつけたままで大丈夫です。
C5,C6は片側が開放になって電流は流れませんし、R8,R9は回路の仕様上入れておくべきだと考えられます。
・基板のC5,C6の+側からトランスへ接続しても構わないですね?
C3,C4から取り出した方が良いのですか?
回路図上ではどちらも同じですが、基板パターンをみますとC3,C4のほうがPCM2704に近いため接続箇所としてはこちらが理想です。
ただし、判別できるほどの違いはないでしょうからどちらでも構いません。
ちなみにトランスの回路を付加した後でも基板上のライン出力は同時出力が可能です。ただしトランスがぶら下がっているため、厳密にいうと元の状態との音、特性は変わります。
・470μの+側が基板へ繋がるのですね?
これは確かに写真でわかり難かったですね。そのとおり基板側にDCバイアスがあるためこちらに+を接続します。
なお、記事上に回路図も載せましたので参考にしてください。
・470μは安いものでも構いませんか?
ここ近年は何故かオーディオ用を謳ったコンデンサが多く出るようになりましたが、それが気になるのであれば使ってみるといいと思います。
私の使用したものもオーディオ用ですが、たまたま手元にあった秋月電子の一個60円のものです。
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-05038/
・染谷のものとタムラのものと、音質は違うのでしょうか?
難しい質問です。音質の評価は主観的なものですので、同じという人も違うという人もいると思います。
キット標準の状態と比べてみても少なくともPCM2704とトランスを使ったDACとしては同傾向のサウンドが
楽しめると思います。
私の勝手な主観的感想は一連の記事上にも書いていたと思いますのでよかったら参考にしてください。
なお、パーツはもちろん配線の引き回しなどの要因でも音や特性は変わります。ハンダで変わるとかいう人もいますし。
コンデンサの銘柄や各所の定数もそうですが、多少交換してチューニングすると良いと思います。
fixerさん、丁寧な説明有難うございました。
追加です。
ぺるけさんの回路では、150Ωと0.022μFの簡易LPFとなっていますが、こちらの回路には0.022μに当たるものがありませんが、問題ないのですか?
LPFですが、あえて外付け部品で組まなくともトランスの持っている特性で可聴外帯域の減衰効果が十分に得られている(記事の測定データを参照)ため必要がありません。
なのでつけなくて大丈夫です。
fixerさん、有難うございました。
疑問点や、もしくは製作してみたら(別のトランスであっても)また書き込みにいらしてください。
どうしてもぺるけさんのオリジナルを追求するなら(とはいえたまたまの手持ちらしいですが)THs-2を探すしかないですし、
それに拘らなければ、私がこのDAC専用に設計し、十分な性能が確認されているこのA28-224を使ってみてもらえれると私としては嬉しいところです。
また、格安で試したいのであればサンスイのST-75が良いと思います。
東栄のはそもそも想定されている用途と異なることと、コア材質が安いものである(出力が大きい用途を想定=大きいコアが必要なので単価の安いコア材料を用いている)ため今回の用途にはおすすめできません。
久々にコテでつっついて弄ってみました。
やはり一次側の10Ωの有無(直結)や、二次側の抵抗の加減(増やしてみる)によって印象が変わるので、試してみるといいです。
これはでも楽曲や再生環境や好みに左右されるでしょうからなんともいえないですけどね。
特性としては標準の状態が一番バランスがとれていると思います。
aki-dacとA28-224を使ったUSB-DACを組み上げて一週間ほど経ちました。
まだ電解コンデンサが落ち着いていませんが,バスドラやチェロなどの低域楽器がきちんと定位して,気持ち良い音で好印象です。
また,高域にも特に癖が感じられなくて良いですね。
良いトランスを,どうもありがとうございます。
また,秋になって涼しくなってきた頃に,光デジタル出力を追加しようと考えています。
実はDVK-UDA01+TPAS-2S(600-7k)の組合せも試していますが,出力側を7.5kΩとすると高域が若干持ち上がっているように感じます。
そのため,この抵抗値を下げて高域のクセを減らしたくなってきました。
では,
コメントありがとうございます。
このトランス出力DACお作りになったんですね。
おっしゃるとおりこのDACの特徴は低域にあると思います。
高域がノイズっぽい物だとパッと聴きは良い気もしますが、それによって低域が疎かになっているのかもしれません。
多少、定数を弄ると音が変わりますので、もしよければ色々試してみてください。また状況を教えてもらえると嬉しいです。
デジタル出力は私もチェック用として出してあります。つけておくと別のDACも使えるので便利ですね。
TPAS-2Sで高域が上昇気味ですか。
二次が7KΩなら現状の7.5KΩくらいが適正(下限)だと思います。
実際に特性測ってみないと何ともいえないですが、一次側に直列に入れる抵抗を大きくして(最大600Ωまで)みると高域が落ち着くかもしれませんよ。
染谷電子さんが私の散歩コースの途中にあり、このブログからのデータを基に作ってみました。秋月の基盤は老眼にとって大変厳しいものでしたが、タカチのUCtype(w170,H50,D120)に形よく収めることができました。
古いCDの腐食がDAC製作の動機であり、今貴重な録音を
少しずつHDDに保存しています。
コメントありがとうございます。
染谷電子さんのお近くにお住まいでしたか。
私も以前、足を運んだことがあります。
あのあたりは広い河川敷があって花火大会もあったりしていいですね。
秋月のキットは確かに表面実装パーツばかりで細かくて大変ですね。キットにするためにわざわざ多少の大きいリード部品を使っているようなくらいで…。
時代の流れで製品が小さくできることは良いのですが、安易に手を入れ辛くなりましたね。
初期のCDはポリカーボネートの材質が悪かったり反射層が腐食して穴が開いたりするので要注意ですね。
HDDも突然クラッシュしたりするのでどうぞ気をつけて作業を進めてください。
はじめまして。
ぺるけさんのBBSから情報を頂いて来ました。
特注トランスの記事、大変興味深く読ませて頂きました。
便乗させて頂き、チャレンジしたいと思います。
NAKAさま
コメントありがとうございます。
またお作りになってみて疑問点や感想などありましたらぜひ教えてください。
トランスという素子も近年はだいぶ出番が少なくなりましたが、いろいろやってみると奥が深いものです。
ぜひ楽しんでみてください。
またお待ちしています。
fixerさん、ご無沙汰です。
ぺるけさん推薦のタムラのトランスが入手難なことで、fixerさんお薦めの染谷のトランスで製作する方が増えてきましたね。ぺるけさんの掲示板にも完成写真が載り、益々染谷で製作する方が増えるのではと感じてます。
完成してからだいぶ経過してしまいました。
この暑さではヘッドホン(スピーカーでは聞かないので)で聞く気にもならず、iPad2から音楽を垂れ流していました。
ようやく(といっても、蒸し暑くてたまりませんが)、毎日聞くようになり、タムラに劣らず上品な音を奏でています。
いまでは、タムラより染谷で聞く時間の方が多いです。(お世辞じゃないですよ)
この掲示板には画像が貼り付けられないので、写真が多い(記事少なし)私のホームページでご覧ください。
http://yasu-audio.com/aki3.html
YASUさん こんにちは
タムラのトランス、私はたまたま手持ちがあったものの、新規で入手するのはだいぶ厳しいみたいですね。製品レベルだとほぼ需要がないでしょうから、ほぼ趣味向けみたいな感じになってきているのでしょう。
染谷さんのトランスは見た目こそ「ただの素っ気ないトランス」ですけれど、パーマロイコアでサイズも大きめなので性能は期待を裏切らないですね。
YASUさんはタムラ版と染谷版と両方お作りになっていて比較が可能なので、正直どういう感想がくるかドキドキしていました。良い感想がもらえてよかったです。
サイト見させていただきました。
やはりUSBコネクタが見栄えも扱い上でも良い感じに仕上がってますね。なんだかんだミニコネクタは扱いづらいので良い案だと思います。
製作のご報告ありがとうございました。
はじめまして。
タムラ製のトランスが売り切れだったため、fixer様が注文なさった染谷電子のA28-224トランスを手に入れ、Aki.DACを作りました。
なかなか良い感じで鳴っています。とても良いトランスをご紹介いただき、どうもありがとうございました。
なお、完成したDACの写真は、ぺるけさんの掲示板に報告がてら載せようと思います。
これからも素敵な工作、楽しみにしています。
KFtaroさま
書き込みありがとうございます。
気に入っていただけたようで何よりです。
自分では気に入っていても、これが他の方に気に入ってもらえるのかどうかは心配になるものですが、こうやって良い報告を聞けると嬉しいものです。
また色々やっていきますので見に来てください。
あちらで写真拝見しました。
ずいぶん綺麗に組みましたね。センスあると思います。
トランス固定のアングルが肉厚でいいですね。
よかったらこちらのブログでも写真で紹介させてください。
おほめいただき、ありがとうございます!
電気や工作の基本的な知識がなく、見よう見まねで作っているため、いろいろと失敗をします。さらに最近は老眼が進行して細かい作業が大変。今回もDAC基板のハンダ付けに苦労しました。
こんな写真でよろしければ、どうぞお使いになってください。
ちなみに、アルミアングル(20x20)は3mm厚です。
これにトランスと基板(抵抗とコンデンサがのったもの)を取り付けています。
はじめまして。こちらのDACを追試したく検討中です。
バランス出力で運用する予定です。
そこでアドバイス頂きたく、コメントしました。
・トランス二次側の「黄」線を使う。
・配線の際、「紫」と同様、「黄」と「青(GND)」との間に、1.5KΩの抵抗を付ける。
・XLR端子へは、1(黒)、2(紫)、3(黄)と配線する。
以上でよろしいでしょうか。
お忙しいとは存じますが、ご教示頂ければ幸いです。
唯 さま
製作記事に興味をお持ちくださりありがとうございます。
バランス出力時の結線は
・黄色線は使わない
・青と紫間に1.5kΩ
・紫を2番
・青を3番
・GND(トランスの黒線のところ)を1番
・青とGNDは繋がない
※場合によって黄色線を1番に接続
このようにするのが良いと思います。お試しください。
また不明点などあればお知らせください。
よろしくお願いします。
fixer 様
説明が、とてもわかりやすかったです。
染谷電子さん他に連絡して、部品集めに入りたいと思います。
さっそくの回答をありがとうございました!
fixerさま
もう、6年ほど前に記事に紹介があったA28-224のトランスでUSB DACを作成しました。現在もご機嫌にいろいろな楽曲を楽しんでおります。ところで、最近になって改めてこのトランス(A28-224)の定格仕様をみていて、わからない数値があるので、質問をさせて頂きました。
仕様書には一次側に 16Ω/225Ω 二次側に 256Ω/3600Ω という記載があり、更に試作試験成績表のところには 454/3600Ω・・・1KHz という記載があります。これは1KHzの信号を入力したときの実測インピーダンス比が書かれているのだろうと思いますが、 それでは、 一次側16/225Ωという数値の意味はどのように考えればよいのでしょうか?
設計値は 225/3600の インピーダンス比だけど、実測値は1KHz時で454/3600 ということなのでしょうか? また、一次側16Ωと二次側256Ωの意味は?
初歩的な質問で恐縮ですが、ご教示頂ければありがたく存じます。
こんにちは。ご質問ありがとうございます。
データシートの数値がややこしい件については、メーカー側での音声トランスの測定方法(JISに従っているはず)と、実際に使う側の事情との違いによって生じているものです。
最も単純な使用法の場合、一次側の回路の出力インピーダンス=トランスの一次側インピーダンス、トランスの二次側のインピーダンス=負荷のインピーダンスとなってマッチングしていれば、トランスは仕様通りで済みます。
しかし、この作例のような場合は、まず必要な変圧比、つまりトランスで何dBレベルを上げたいという要求があった上で、2704の出力インピーダンスと負荷側のインピーダンスを完全にマッチングさせるほどの変圧比は不要であるため、トランスの仕様として単純に何Ω:何Ωと決定することが出来ません。
そこで、今回のトランスのベースになっている別のトランスの値を継承しつつ、巻線比1:4のトランスで広い範囲のインピーダンスでの動作を把握すべく、16Ω:256Ωおよび225Ω:3600Ωの二通りで確認をしてもらっています。
実測で454Ω:3600Ωになっているのは巻線の抵抗等でロスが増えている状態といえますが、今回の場合は効率的にレベルを稼ぐのが目的ではないので、伝送のロスは問題にならず、最終的に周波数特性や歪率、サウンドに魅力があれば良いということになります。
最終的には一次側や二次側に抵抗を入れて調整をしているので、電力としては余裕のある状態で必要な電圧レベルを確保し、あとはトランスと周辺回路を含めていかに望ましい状態に仕上げるかがポイントですので、そのあたりがトランスの使用した回路の難しいところなのかなと思います。
fixerさま
早速のご丁寧な回答を頂き、ありがとうございます。
トランスのことをよく知らない初学者なので、当たり前のことをお訊きしているかもしれませんが、ご容赦のほど。
頂いたご回答と仕様書をみて、頭を整理しましたが、以下のようなことでしょうか?
仕様として、一次側に225Ωの抵抗を、二次側に3600Ωの抵抗を接続した状態で、一次側に信号(1KHz)を入力したときに、二次側に入力電圧の4倍(巻き線比)の電圧が出力されるようなトランスを製作。
トランスの仕様として、例えば、一次側600Ω、二次側9600Ωというような値ではなく、一次側225Ω、二次側3600Ωとしたのは、以前製作した実績のあるトランスの値を継承したためである。また、今回のような目的(電力伝送ではない)で使用するトランスは送り出し側(2704)のインピーダンスとトランスの入力インピーダンスを完全にマッチングさせる必要もないので問題はない。
出来上がったトランスをより広い範囲でのインピーダンスの下で動作を確認するために、下記のような条件で試験測定を実施。
(1)一次側に16Ω、二次側に256Ω
(2)一次側に225Ω、二次側に3600Ω
仕様書の試験成績表には、上記(2)のケースの結果のみを記載。
実際の試験結果としては、一次側のインピーダンスは1KHzで225Ωの設計値ではあるが、実際の測定値は一次側454Ω、そのとき二次側3600Ωであった。
というような理解でよろしいでしょうか?
当時の記録を探してみましたが、経緯の細かい部分については残っていませんでした。
流れとしては、これのベースになったトランスの変圧比が高すぎたので、それで巻線比を少なくする形で作ったと記憶しています。それで電圧比で4倍弱くらいあれば必要な電圧レベルが確保できると判断したという流れです。
インピーダンスの測定については染谷さんのカタログに書いてあったような記憶があるので一度ご覧ください。
454Ωについては、一次側を16Ωで終端した際に、二次側からは454Ωに見えたという解釈で良いと思います。
同様に一次側を225Ωで終端した際には3600Ωに見えたと読み取れます。
ただし、2種類のインピーダンスで測定することはイレギュラーのため、もし気になるようであれば染谷さん宛に問い合わせされるのがよろしいかと思います。
正直なところ、添付のデータは参考にはするものの、実際は手元にある回路に組み込んで測定して評価をするため、提供データについて細かくチェックをしていない部分があります。
トランスメーカー側はあくまでJISに従った測定を、
ユーザー側はマッチングして使用しないため、提供データーがあまり参考にならないといった点については以前より悩ましい部分で、オーダーで苦労する部分となります。
参考になりますでしょうか?
fixerさま
トランスに関する知識などがあまりないので、完全に理解したというまでには至っておりませんが、なんとなく、このトランスができた背景などが解りました。染谷電子のWebサイトに行き、カタログもじっくりと調べてみます。もう少し勉強致します。
どうも、ありがとうございました。
トランスの定格インピーダンス以外での動作については
以前測定していますので、以下をご参考ください
サンスイ ST-71 600Ω:600Ωトランスのf特とか歪とか
https://fixerhpa.web.fc2.com/sokutei/sansui_st71/index.htm